内容説明
人生を変えた文豪・川端康成との出会いと交流。パリでの結婚生活と離婚。望郷の思いから断念したハリウッド・デビュー。一人娘の独立。母との別離…。娘、妻、母として、そして女優、作家、ジャーナリストとして抱えてきた思い、自らの生き様を活写する、自伝エッセイ。
目次
第1部 私を女優にした眼
第2部 母と娘、それぞれの孤独
第3部 ドジな女の大騒動
第4部 「干渉の義務」
第5部 なつかしい人たち
第6部 「あの女、メトロのにおいがする」
第7部 時代をわたる風
第8部 大義と正義の罪
著者等紹介
岸惠子[キシケイコ]
横浜市出身。女優、作家。「我が家は楽し」で映画デビュー。1957年、医師であり映画監督イヴ・シァンピと結婚。ジャーナリスト、作家として活躍の幅を広げる。83年『巴里の空はあかね雲』で日本文芸大賞エッセイ賞、94年『ベラルーシの林檎』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。2011年フランス共和国政府より芸術文化勲章コマンドールを受勲(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こばまり
49
アラン・ドロンの素敵なエピソードで思い出した新人社会人の頃。掛かってきた電話の声を、仕事仲間のボビーさんと信じて疑わず気安く談笑。しかし後に知るのだ。それはボビー氏ではなかった。魅惑のテノールの持ち主は、冒険家の風間深志氏であったのだ。2022/10/19
yokocoⅡ
4
岸恵子さん、美しく可愛らしい女優さんで昔から大好きです。エッセーも優しさとウィットに溢れていて、そのうえゴージャスな交友関係の披露とあればゴシップ好きにはたまりません。が、時系列が曖昧で(だからアラカルトなのかも?)ちょっと読みにくさを感じました。書かれた日付の添付だけでもあったなら、もっと読者の想像力も高まるのに~と残念に思いました。2014/01/28
もくたつ(目標達成)
3
初めて手に取る女優岸恵子さんのエッセイ集。お洒落な言葉遣いと状景の浮かぶ描写に、岸さんの文才を感じた。パリで暮らしたくなった。2019/09/06
桑畑みの吉
2
著者の岸惠子さんは1951年に映画界入りなので来年デビュー70周年!となる。今年米寿を迎えたようで数少ない昭和レジェンド女優としてまだまだご活躍して頂きたい。本書では一世を風靡した元祖『君の名は』の話題からパリでの生活、2000年前後の世界情勢までのエッセイが書名の通りにア・ラ・カルト的に収録されている。40歳代の頃に書かれたものも脈略なく混ざっていたりするので統一感の無さは気になった。エッセイの中では映画『戦場にかける橋』のオファーの話に驚いた。あの男くさい映画の中で一体どんな役だったのであろうか?2020/08/26
Cake-O
2
ブルジョワ階級のイヴ・シャンピ映画監督との結婚を機に日本の芸能界を引退し渡仏してしまった岸恵子さん。知的でお洒落な岸さんの映画の一コマのような日常生活も綴れられているが、ハリウッドでは失言してドジな面もあって人間らしく岸さんの色んな面がみられた。シャンピ氏と結婚せず芸能界に残っていたら、ハリウッド女優として大活躍しアランドロンと結婚してたかもしれない。でも、シャンピ氏との結婚で彼女の歴史の知識や政治への関心は高まりジャーナリスト兼作家という道が開けたのかもしれない。2015/02/16
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