内容説明
メジャーリーグで活躍し続けるイチローに、糸井重里が投げかけた言葉のキャッチボール。ヒットを一本打つことのうれしさや難しさ、道具論、金銭哲学など、普段あまり聞けない本音が連発。文庫化にあたって特別加筆。糸井重里からの手紙「6年後に、イチローさんへ」を掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかやん
26
再読。超一流の成績を残してたはずの、96~99年がスランプだった、とのオリックス時代末期の話題がやっぱり面白い。「バッティングの"カタチ"」については、"アイデンティティ"や"生き方"等々にそのまま置き換えながら耳を傾ける。イチローさんのような言葉を持った野球選手は今後誕生するんだろうか?ちなみに「紅白歌合戦を見て、演歌が流れていますよね…(若いころと違って)いいんですよ」には個人的にかなり共感してしまいます(笑)2018/01/09
Tenouji
20
2004年時点での、イチローの語り。まだまだ、尖っている感じがして面白かった。なんというのか、一つのことを極めていくという道は、いろいろ試して、スランプに陥って、ようやく自分のことが自分で見えてくる、といった感じなのかな。2019/07/10
@nk
20
「評価」とは第三者がするものであり動的。常に自分を客観視できていれば、それに翻弄されることはない。他者の言う「成功」も評価の1つだからこそ、それは曖昧なものでしかない。▼打率3割なら失敗の7割のほうが重要で、その7割を完璧に説明できてこそ、自分自身のカタチが見えてくる。▼どういう自分であるかを見てもらうこと。そして、応援するかは見る側が決めること。▼考える余地は、いくらでも有る。/少し表現は違うでしょうが、これらの意の内容が今の私の心を貫いた言葉たち。野球を通じた生き様が見えます。⇒2019/06/17
やまねっと
16
内容は薄いんだけど、深い。この本を一言で表すとそんな感じがする。人によっては薄いかもしれないが、イチローが考えていることは深い。糸井重里のインタビューは絶妙で、そんなことまで聞くの?とかより鋭い指摘が目にいった。 最後の51の金言はいらないなと思った。この本はテレビ番組を元に作っているからこの薄さでも仕方がない。でも、本としてもう少し加筆して欲しかった。 イチローは引退しても過去の自分をアップデートし続けている。その一端が垣間見える本だ。2024/10/10
安国寺@灯れ松明の火
13
イチロー選手の言葉が独創的だったり唐突に聞こえるのは、私たちが結論だけを単独で受け取ってしまうことも一因である気がします。前人未到の記録を成し遂げるような人の考えが理解しづらいのは当然とはいえ、この対談を読むと、イチロー選手の過去の体験やそこで培った考え方など、結論の裏には必ず根拠があることに気づかされます。そして、聞き手の糸井さんが実にさりげなくそのあたりを展開させているのが見事でした。対談の中で漫画『キャプテン』が引き合いに出されていたのは意外でしたが、私も大好きでした。2010/05/23