内容説明
前代未聞の劇場型犯罪、グリコ・森永事件を首謀した「かい人21面相」とは誰なのか。著者のもとに届いた1通の手紙から浮上した犯人像は、5億4千万円を奪って時効までを逃げ切った「史上最大の銀行強盗」と同一人物だった。昭和史最大の謎に迫るノンフィクション。
目次
プロローグ 「史上、最大の銀行強盗」
第1章 かい人21面相
第2章 キツネ目の男
第3章 そして、誰もいなくなった大捜査線
第4章 真犯人
対談 グリコ・森永事件の真実
著者等紹介
森下香枝[モリシタカエ]
1970年生まれ。「日刊ゲンダイ」「週刊文春」記者を経て、2004年朝日新聞入社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さぜん
50
WOWOWドラマ「レディジョーカー」を見て「罪の声」を再読したいので手に取る。5億4000万強奪事件の犯人からの手紙からグリコ森永事件の真犯人の情報を得て当時の捜査資料から事件を追ったルポ。江崎社長の誘拐の裏に企業の闇があり、怨恨や裏社会が絡んでいたのではという下りは小説かと思うほど。とにかく警察の不手際に呆れる。大阪府警って今もヘマが多いけど組織の問題?真相は藪の中だがいつか犯人集団の誰かが告白してくれないだろうか。2019/07/02
0607xxx
13
事件は知っていたが、詳細は知らなかったので読んでみた。犯人は5億4千万円を奪った史上最大の銀行強盗と同一犯との説だが信憑性が高いと思う。しかし、犯人は自殺という形で真相は闇の中でグリコ・森永事件もそうだが、警察の不手際が目立った。興味深く読み進める事が出来、他の未解決事件や大事件にも興味が出てきた。2016/01/17
emi
5
捜査資料を元に、グリコ・森永事件の真相に迫る。この事件に関する本は、初めて読んだので興味深く読めたが、やや文章が読みにくい点が難点。2014/01/22
うたまる
4
著者に送られてきた手紙を基に、未解決のグリコ・森永事件の真相に迫るルポ。本書の核心たる真犯人像は正直微妙。確たる証拠がなくただただ伝聞証言だけでは、下手すると「嘘でした」で終わる可能性すらある。なので、読み処は関係者から手に入れた捜査資料の方だろう。臨場感がある上に警察の不手際が頻発し、読んでいてトホホとアチャーが止まらないのだ。そして、その中で一つ気付く。事件に色濃く浮かぶ在日コリアンと同和の影。フリーハンドで捜査できない関西特有のこの厄介な勢力に、警察は思い切って踏み込めなかったのではないかと。2017/06/08
Ikuto Nagura
3
団塊ジュニア世代には、忘れられない事件の真相に迫るノンフィクション。事件に関わったのが、これまた大事件の強盗犯だというのは、俄には信じられないが、ひとつの仮説として興味深く読みきることができた。レディジョーカーのような裏取引はあったのか?いつか真相が明らかになってもらいたい。2013/11/17