内容説明
西郷はなぜ起ったのか?西南戦争勃発の「現場」にいあわせ、西郷出陣までの経過を詳細に目撃した外国人は、サトウの他にいない。サトウにとって西南戦争、というより西郷の叛乱とは何であったのか。また鹿児島で西洋医学の普及につとめていたウイリスにとって、西南戦争とは。
目次
反逆
ウイリス
反逆再考
明治十年代
著者等紹介
萩原延壽[ハギワラノブトシ]
1926年、東京・浅草に生まれる。東京大学法学部政治学科卒業。同大学院修了後、ペンシルヴァニア大学、オックスフォード大学へ留学。帰国後は、研究・著述に専念する。2001年10月没。著書『馬場辰猪』(吉野作造賞)、『東郷茂徳―伝記と解説』(吉田茂賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
60
この巻では、アーネスト・サトウが薩摩にいて西郷の挙兵の現場に立ち会うということでかなり臨場感があります。西郷暗殺隊が東京から送られたりしたことも書いてあります。アーネスト・サトウのようにかなり日本に長くいる外国人でもこのような内戦というのはあまり理解しがたいことなのでしょう。後半では西郷びいきのウイリスのことについて書かれています。2015/06/23
ホークス
43
英国外交官アーネスト・サトウの評伝。第13巻は西南戦争最中の鹿児島から始まる。サトウが会っても西郷は語らない。親友ウイリスも病院の弟子達が従軍し、鹿児島を去る事になる。戦争後もサトウは西郷に対する不可解な想いが消えない。豪胆で細心、かつ真心を尽くす西郷はどこに行ったのか。自分の西郷観を何度も疑い、彼を救う方法を虚しく探す。「尊敬に値する人」のほとんどは期間限定、状況限定だと思う。彼らが見せる挫折や限界は、誰もが「尊敬に値する人」になれると教えてくれる。35才のサトウは今や著名な日本通。次が最終巻。2022/04/18
huchang
3
これを読んでしばらくしてから、ワーグマンの岩波文庫から出てる日本素描集を買ってしまいましてね…。ここに出てくるイギリス人はたいてい、その頃の日本をきちんと記録に残している。そして仕事ばっかりしてないで、ちゃんと遊んでる。内情調査に来てるような人たちばかりだから、それも仕事のうち。だからイザベラ・バードと友達だったりしたらおもしろいなぁ…とサトウの旅の記録が多くなるたび考えてたけど、今回、ちょこっとだけバードさんが登場して思わず声が出た。2022/01/26