朝日文庫
英国策論―遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄〈3〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 388p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022615459
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0120

内容説明

日本の真の支配者はだれか。幕府と薩長倒幕勢力との対立がふかまり、第二次長州戦争が始まろうとしていた1866年前半、22歳の若きサトウは中央政府としての幕府の否認という大胆な主張を『ジャパン・タイムズ』に発表した。『英国策論』として知られるこの著述は、サトウを幕末政治の渦中の人としてゆく。

目次

パークス着任
兵庫沖
英国策論
大名

著者等紹介

萩原延壽[ハギワラノブトシ]
1926年、東京・浅草に生まれる。東京大学法学部政治学科卒業。同大学院修了後、ペンシルヴァニア大学、オックスフォード大学へ留学。帰国後は、研究・著述に専念する。2001年10月没。著書『馬場辰猪』(吉野作造賞)、『東郷茂徳―伝記と解説』(吉田茂賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

95
幕末~明治にかけ日本に駐在した英外交官アーネスト・サトウの日記を中心に波乱に満ちた近代日本の幕開けを描く全14巻。慶応元年(1865)オールコックの後任パークスが第二代駐日公使として軍艦レパード号で横浜に着任。パークスは英国で初等教育を受けただけの叩き上げ。アヘン戦争の最中、公職につき20年以上に亘り中国でキャリアを積む。日本赴任は、未だ37歳。我々が幕末史を学ぶと、幕府・薩長両者の背景にいつも列強の姿が見え隠れし、その圧力に右往左往するのを知る。が、本書では英国外交官の視点で動乱の日本を見ることになる。2021/07/29

ホークス

39
英国外交官アーネスト・サトウの評伝。第3巻は1865年のパークス公使着任から。サトウは22才。4ヶ国艦隊による兵庫開港要求の実況が生々しい。日本の強固な「空気世界」は、大き過ぎる変化に遭うと一時的に溶ける。この工程が国レベルで進みつつある。パークスは薩摩藩を訪問し西郷とも会談する。国益を担うパークスは、薩長と幕府の争いに対してとても注意深い。英仏の姿勢は違うが、内政非介入を建前とする点は同じ。混乱の中で幕府と長州の戦争が始まる。命懸けが当たり前な時代、サトウも勇み立って自論を書く。明治改元まであと2年。2022/03/23

翔亀

34
【サトウ3】1865年にパークスが駐日英国大使(公使)に着任、仏国のロッシュとともに幕末維新の役者がそろう。サトウも単なる通訳の立場を超えて維新への歴史の流れに主体的にかかわるようになる。本書が丁寧に紹介しているこの時期の外交史料のディティールからみると、幕府も倒幕派も、英国も仏国も、単純ではない。例えば列強は植民地化を狙っていたとか、幕府と仏国、倒幕派と英国が結びついたとか、幕府が開国について 固陋で倒幕派が開国を主導したというのは短絡的な見方であることがよくわかる。英国も仏国も貿易さえできれば内政↓2022/06/30

しんこい

10
幕末の、幕府、諸藩と外国の交渉が、見てきたかのごとく語られるのも、残された記録が膨大なだけでなく。それを結び付け俯瞰する作者の力あればからこそなんだろう。幕府の体制と天皇の関係とか外国人がよくここまで洞察したもんだ2019/10/14

huchang

4
商売に真剣でお金が大好きな紳士淑女の国は、抜け目なく他国の状況を読んで、自分たちが損しなくて済む方法を考え出すもんやなぁ…。こういう問題を元百姓の父と話し合ってた時に「百姓は誰かが抜け駆けしよるけど、商売人はギリギリまでホンマに我慢するで」とため息交じりに言ったことを思い出す。英国人は基本的に商売人なのだと感じ入る第3巻。絶対関係ないやろけど、さっすが007の国やなぁ…。2021/04/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/556993
  • ご注意事項