感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tora
2
著者の機動力・行動力は大変素晴らしい。しかし、内容に関しては森達也と比べると一枚落ちる。2012/09/05
ぎすけ
2
下山事件に関する本は、最初に柴田哲孝氏の著書を読んだため、この本の存在は知っていたが、柴田氏の著者がある種エンタメ色が濃いのに対して、資料の分析と関係者に対する取材の様子等、地味ではありつつもそれ自体に意味を持たせることをしている。この本は時間の経過が真実に迫るのを阻み、それでいて存命の数少ない関係者にとっては風化しない事件であることを語っている。2012/06/09
penguin
2
図書館。同時期に出た下山事件関連の中で、一番読みやすかったです。事件を知ると言われる人物達に会うまでの過程、会って「かたり」を聞く様等は緊張感が伝わります。三冊一気に読んでみましたが、アプローチや書き手の個性でこれほどまでに印象が異なる事に驚きを感じ得ません。ただ、共通しているのはこの事件が「戦後の日本」の分岐であったこと。真相は関係者の多くが鬼籍に入って居られることもあり、闇の中でしょうが、これを知ることにより「戦後日本」や今を考える切っ掛けになった気がします。2011/03/24
さんしょ
1
「彼」こと柴田哲孝氏の本を先に読んでおいたので、スラスラ読めた。推理力の冴え渡る柴田氏に対して、諸永氏は行動力と粘りが半端ないと思った。ビクター松井へのインタビューに漕ぎ着けるところは、記者の執念を感じた。柴田氏の本の法が後に出たので、本書は情報としては新たなものはないが、取材の裏側に触れることができたのは良かった。2011/09/11
さえきかずひこ
1
渡米して事件関係者に取材するところはさすがに読みがいがあるが、『週刊朝日』の原稿をもとにしているので森達也『下山事件』(新潮社)とどちらを先に読むかで印象が大きく変ってしまうはず。しかし、信じるものがあった時代というのは何か眩しい。信念は時代ではなく個人に還元できるはずといったら、それはそうなのだが時代といったことばで掬いきれないバイブレーションがひとびとのものの判断に大きく影響を与えることは間違いなかろう。2008/09/15