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朝日文庫
巡洋艦インディアナポリス号の惨劇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 356p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022614278
  • NDC分類 391.27
  • Cコード C0122

内容説明

太平洋戦争末期、日本軍潜水艦の魚雷を受けて沈んだ米巡洋艦。原子爆弾の部品を積み、密命を帯びた同艦の乗組員のうち300人は即死。海に投げ出された者にはさらに過酷な運命が待ち受けていた。低体温症、サメの群れ、飢え、乾き…紅蓮の炎と荒れる波間でいったい何が起こったのか。

目次

プロローグ 絆で結ばれた水兵たち
第1部 いくさの海へ(総員乗艦;さよなら、金門橋;連鎖の始まり)
第2部 沈没(紅蓮の海;総員退去;あてなき希望 ほか)
第3部 救助(死の漂流;最後の数時間;余波 ほか)
エピローグ

著者等紹介

スタントン,ダグ[スタントン,ダグ][Stanton,Doug]
アイオワ大学にてMFA(Master of Fine Arts・美術学修士)を授与される。エスクァイア誌、アウトサイド誌の補助編集員を務め、現在はメンズジャーナル誌の補助編集員。米・ミシガン州在住

平賀秀明[ヒラガヒデアキ]
1956年生まれ。早稲田大学卒。中国通信社、共同通信社勤務を経て翻訳家に
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鷺@みんさー

46
読み終えて、対馬丸事件を思い出した。魚雷で沈没、爆発の阿鼻叫喚、漂流と鮫の恐怖。そして軍による隠蔽。対馬丸は子供がメインの疎開船だったが、こちらは若き海兵多数。海水による「肉体の壊れ方」、鮫がどのように襲うか、幻覚と低体温でどんな殺戮が始まるかを克明に描いている。特に、救命胴衣のみで漂流した軍医の体験談がリアルさに深みを与えている。日本人の私からすると、原爆を積んだ船が「人間魚雷」の船に攻撃されると言う、複雑さを感じ得ないが、感想はシンプルに「憎しみの連鎖で惨い殺され方をするのは、誰であれ嫌だ」であった。2021/03/10

BLACK無糖好き

10
広島へ投下する原爆の重要部品をテニアン島へ極秘司令で運搬したインディアナポリス号は、任務終了後グアム経由でレイテ島へ向かった。途中日本海軍の潜水艦による魚雷攻撃を受け沈没、漂流した生存者らは火傷、負傷、低体温症、飢え、渇き、更にサメの餌食となり犠牲者数は増加していった。極限状態からくる幻覚症状の様子も生々しい。米軍はこの事実把握に数日かかり救助が遅れた。又司令部は事前に海域の危険を通知していなかった。全て現場責任とされ、自殺した艦長の名誉回復までの生存者や関係者による運動も記さてる、圧巻です。 2016/02/07

moe

9
巡洋艦インディアナポリス号は、広島に投下される原爆の重要部品を運んだ直後、日本の潜水艦の魚雷に撃沈されます。事故が発覚するまでの長い4日間は、海上での渇きと飢え、幻覚、サメの襲撃とまさに生き残るための死闘でした。九死に一生を得た人たちは救助された後も大きな影響を受けます。事件後15年たって初めて開かれた戦友会の話は涙なしには読めませんでした。特に責任を負わされた艦長の苦しみは胸を打ちます。日本人として複雑な思いで読みましたが、やはりこの事件は惨劇と呼ぶしかない痛ましさでした。2011/05/26

リュウジ

8
★4彼らが死んだのは事故なのか?ミスなのか?戦争だからなのか?日本の潜水艦の雷撃を受けインディーはわずか12分で沈没。瞬時に発したSOSは確実に届いていたものの、救助開始はなぜか4日後。その間に死ななくてもいい命が海に消えた。死因はサメの襲撃、渇きからの禁断の海水摂取、絶望による自死等。それも同じく救助を待つ他の戦友たちの目の前で一人、また一人と死んでいく。生き残った兵士も救助する者が泣き出すほど壊れていた。この悲劇は遭難ではないのだ。でも戦争でもない。なんといえばいいのだろうか。その言葉が見つからない。2022/01/21

yos

4
1945年7月30日、終戦半月前の悲劇である。このアメリカ巡洋艦が沈んだとき、誰も救助に向かわなかった。 4日間の漂流という地獄のような環境を生き延びた人々の精神力は、素晴らしかった。死と紙一重の位置にありながら、なお他人を励まし、勇気づけ、助けようと努力する人々の姿に感動する。状況を受け入れ、決してあきらめず、希望を捨てない楽天性に感動する。極限状態に置かれた人間の発揮する無限の精神力にふれるとき、人間って素晴らしいなと素直に思う。 2005/11/30

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