内容説明
米国海軍司令長官ペリーは、なぜ自らを「360年後のコロンブス」と位置づけ、日本への遠征航海に乗り出したのか。ペリーの報告書『ペルリ提督日本遠征記』をひもときながら、日本を一大転機へと導いた大航海を新たな世界史的視点から検証し、激動の時代の日本と世界の姿を浮きぼりにする。
目次
第1章 コロンブスの夢からペリーの志へ(インディアスへの極西の道;二つめの「コロンブスの卵」 ほか)
第2章 ペリー艦隊出航す(目的地は西、針路は東へ;東方へむかう航洋蒸気軍艦の航跡 ほか)
第3章 黒船が震撼させた日本の10日間(はじめて接触した浦賀の狼狽;理解には好意、研究には敵意を ほか)
第4章 ペリー艦隊の日本考察航海(江戸湾に集結した九隻の黒船艦隊;自己を語らぬ日本人の好奇心 ほか)
感想・レビュー
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kawa
36
著者曰く、従来のペリー物は日本側視点のものが多いが、本作はペリー視点から航海の全貌を記述したところに特徴があると言う。確かに冒頭、コロンブスの航海との関連の西洋史的分析、琉球、小笠原島航の様子の詳細記述等、興味深い点が多い。また、日本側の人物として応接にあたった中島三郎助や、松前藩の松前勘解由の記述も著者独自の試みなのだろう。小説の主人公として読んで見たいと思えるような人物の数奇な人生の一端を知れたことも嬉しい。ただ内容が多岐にわたる分、読み辛い点があるところがやや残念かな。(メーター登録3000冊目)2024/04/04
tecchan
1
幕末の米ペリー艦隊の「遠征記」 を元に、当時の国内外の情勢、ペリー来航の背景等を描く。諸外国がどのように当時の日本を見ていたか、また、当時の我が国の市民生活なども描かれていて面白く読めた。2017/11/09