内容説明
草原の戦いは終わった。日本軍6万人のうち死者1万1000人、戦傷者9000人。第23師団の損耗は76%に達した。生還した捕虜は“自決”を強要され、生存者は「口を閉ざす」よう命令を受けた。幹部の更迭がひそかに進められる一方、国民には「戦闘精神の勝利」が喧伝された。全4巻完結編。
目次
第28章 砲声やんで
第29章 代償
第30章 懲罰
第31章 国境の再画定と収支決算
第32章 戦訓と応用
第33章 教訓にならなかったノモンハン戦
感想・レビュー
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skunk_c
60
最終巻は戦闘後の始末と総括。戦場清掃(遺体回収と焼却できたか不明の軍旗捜索)をやるために一戦まみえようとする現地軍を、なんとか外交で押さえ終結。戦略目的を達成したソ連は、その他のことには割合妥協的な印象。日本は明確な上からの命令でなく撤退した指揮官を容赦なく処分、捕虜になった者の運命はとりわけ過酷なだけでなく、合理的に戦力をなんとか保存しようとした指揮官(それだけ状況判断力があると言える)も容赦なく処分し、著者はさらなる戦力低下につながったとする。ジューコフの用兵も犠牲を顧みなかったため不評だあったとも。2021/10/26