内容説明
鎌倉・室町時代以来の武士階級の動きにこたえ、従来の貴族・寺院の荘園を打ちこわし、武士による完全な封建制度を確立した信長。新しい体制を造るために、彼の意志に従わぬ者はあくまで排除する実行力に富んだ人物信長を、史料的裏付けとともに浮きぼりにする伝記研究。
目次
1 尾張半国の領主
2 京都進出
3 将軍義昭の動きと反信長戦線
4 新しい封建秩序
5 安土城の威容
6 近畿の動揺と鎮圧
7 雄図の挫折
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
19
感情が全く入っていない淡々とした書き方で生涯と業績を書いています。目新しい話はありませんが読みやすくて良かったです。2022/01/05
nobody
11
一体信長は人生の時間のどれほどを戦に費やしただろう。一体生涯戦績は何戦何勝何敗で、その戦数と勝数を上回る武将はいるのだろうか。小室直樹は「現代日本は信長に負う。そのすべてを」というが、反面、井沢元彦のいうように「日本人は、破壊の英雄の必要性を頭で認めても、決して心の中では許さない」。信長という奇跡がなければ、日本の歴史はもっと悲惨なものになっていた。例えば頑迷固陋たる宗教国家になっており、かのカルト教団は今頃もっと堂々と権力の中心に蟠踞していたに違いない(もっとも別のカルトが現権力の中心にいるが)。例えば2021/02/03