内容説明
戦闘に直接参加したか否かを問わず、先の戦争は国民に深い傷跡を残した。朝日新聞テーマ談話室「戦争」欄に寄せられたおびただしい投稿には、民衆の生の声があふれ、公式文書からは決してうかがいきれぬ戦争の実態が、赤裸々に描かれている。階層、職業、地域、性別を超えて、これだけ広範に証言が集められたことはかつてない。昭和史最大の惨事を後世に伝える貴重な記録。
目次
4 ああ、銃口の前に立った思いは(日系カナダ1世たちの苦難;臨月なのに防空訓練;すき焼きと天ぷらの正体;「非国民の家だ、水をかけろ」;人の心の身勝手さ;狂った生活設計 ほか)
5 この戦争は神の御心にそわぬ(満州で生き残った子はどこに;邦人残し鉄道爆破;残留孤児と関東軍;満蒙青少年勇軍の実態;たとえ逆賊といわれようとも;リンチはなかった;帰還船上の君が代;海の38度線を越えて;望郷の思い満たした人たち;引き揚げ寮の写真 ほか)
6 明日もまた山ならむ大行の険(すっとんきょうな検閲の一例;憲法空洞化の社会;自滅をさけた日本;戦友会に欠席を続ける私;帰郷認めなかった父;胸の痛み伝えて;盾の両面に目くばりが必要;戦友会、出席する人しない人 ほか)