内容説明
連れ去られた「モナ・リザ」、引き裂かれたショパンの肖像画、「種をまく人」日本への旅。朝日新聞記者が訪ね歩く名画をめぐる物語。
目次
ラスコー洞窟壁画
ベリー公のいとも豪華なる時祷書(ランブール兄弟)
モナ・リザ(レオナルド・ダ・ビンチ)
カナの婚礼(ベロネーゼ)
夜とぎのマドレーヌ(ラ・トゥール)
レカミエ夫人の肖像(ダビッド)
ナポレオンの聖別式(ダビッド)
メデューズの筏(ジェリコー)
ショパンの肖像(ドラクロワ)
オルナンの埋葬(クールベ)
種をまく人(ミレー)
オランピア(マネ)
印象・日の出(モネ)
睡蓮の池(モネ)
船上の舞踏会(ジェームズ・ティソ)
出現(モロー)
カフェ・コンセール レ・ザンバサドゥール(ドガ)
エトワールまたは舞台の踊り子(ドガ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rico
75
さまざまな「名画」について、作品にまつわる人・場所・歴史等を紹介した朝日新聞の日曜版の記事を、エリアごとに編集し、7巻にまとめたもの。記事の初出は40年近く前。例えば建築中のルーブルのガラスのピラミッドが物議を醸してる、なんて時代を感じる記述もあるけど、それはそれで楽しいし、カラーの図版や写真もきれい。気軽に名画の世界に触れることができます。個人的には、ルーブルを最も熟知しているのは電気系統のケアをしている技術者というくだりがツボでした。高階先生のコラムつき。表紙はドガの「踊り子」、裏表紙が「モナリザ」。2024/10/31
まっと
13
かつて朝日新聞日曜版に連載されていた「世界名画の旅」、その文庫化されたシリーズの第1集。採りあげている名画の紹介にとどまらず、対比的に関連作品が語られ、更には個々の作品に関わった人たちの話、作品にまつわる秘話、取材当時の街やそこに生きる人・訪れる人たちの様子まで。通常の美術関連図書とはまた違った「読み物」的楽しさも同時に味わえた(新聞連載ならでは?)。第1集では「モナリザ」の採りあげ方、「カナの婚礼」へのフランスのこだわりと共に語られる「レピ家の饗宴」をはじめ、「へぇ」連発で興味深かった。次も楽しみ。2022/07/07
みか
8
大好きなドガの「踊り子」が表紙を美しく飾っています。フランスの有名絵画を鮮やかなカラー写真とともに分かりやすく解説しています。絵そのものの紹介だけではなく、画家たちの個性あふれる生涯や、現在の絵の所有者たちの絵に対する想いなどが丹念に取材され、名画をめぐる旅行記としても楽しめます。1巻は、ダ・ヴィンチ、ラ・トゥール、ダビッド、ドラクロワ、ミレー、マネ、モネ、モロー、ドガなどを収録。2010年に横浜美術館でドガの大回顧展があり、「踊り子」を実際に見ることが出来て、その躍動感あふれる美に感動しました!2008/05/02
nightU。U*)。o○O
3
絵画そのものに対する評価や批判はすくなめ。だが、どのような時代環境の中で名画が生まれたか、とわかりやすく情緒的な文章で伝えているし、なにより面白いのはそれを受け入れてきたフランス市民、フランスという国の市井の活気がありありと見えてくるところ。2017/01/09
AKO
2
フランス各地を巡りながら、フランスと所縁のある芸術家を巡る世界名画の旅シリーズ。1985~87年まで朝日新聞で連載していたらしい。ラスコーの洞窟壁画から始まり、ルーブル美術館のピラミッド建設までの貴重な写真や、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』ベロネーゼの『カナの婚礼』ドラクロワの『ショパンの肖像』ミレーの『種をまく人』モネの『印象・日の出』と『睡蓮の池』などの名画を裏話を交えながら巡る。美術史や旅行記としても楽しめる。芸術家の人生は本当に波乱にとんだものが多いと感じる。2022/07/11