内容説明
40年近く前、療養所で、のちに闘病句の傑作『惜命』を発表した俳人・石田波郷と同室になったことが、著者の俳句との出会いにつながった。昭和2年生まれの著者が、作家となるまでの半生を昭和史と重ね合わせ、そのときどきの時代相と個人史を、古今の名句をかりつつ物語る。収録した句は芭蕉・一茶・蕪村から子規・虚子を経て現代にいたる約千句。
目次
焦土
昭和2年
満州事変
小学生
東京音頭
2・26事件
支那事変
六年生
小学浪人
中学生
大東亜戦争
反抗期
勤労動員
海軍志願
敗戦
占領下
発病まで
療養所
露の世は