内容説明
思い立ったが吉日。鉛筆一本、紙一枚あれば絵は描ける。そしてその上達のヒケツは…「顔の描きかた」「見るということ」「鉛筆について」「木炭」「模写について」「色の設定」についてなど、実際に絵を描くときに気をつけるべきポイントをやさしく語る。
目次
絵を描く人へ
鉛筆画とデッサン
写真と絵画
顔の描きかた
女性の顔について
才能について
子供時代
額縁の中は自由で伸び伸びしている
良い絵であることの条件
デッサンについて
絵を描く者の日常の心がけ
木炭
消しゴムについて
画材を買う時
汚れと色調
色の設定
美意識について〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kochi
22
昔から、絵がかけたらいいなぁと思うときがあり、たぶんそんな時に買い求めた本。タイトルから受ける印象と違って、初心者以前の読者である私にとっては、技術的な話はほとんどないように思えて、「見ること」についての姿勢やこだわらずに自由に描くというような心構えみたいなものについて多くが語られるように思えるが、ある程度書いている人にはまた違うかも。著者のいくつかの絵も見るたびに味わいが出てくるようで、文章も、何度も読んで味わうことのできるエッセイなのかな。著者は『花神』などの連載小説の挿絵をかいていたらしい。2019/04/30
ささのは
19
ずいぶん前に買って、何度も読み返している本。作者は池波正太郎や藤沢周平の装画なども手がけている人。絵の基本について書かれたこのシンプルな本になぜ惹きつけられるのか。それは何かを創ろうとする時の心のあり方を教えてくれるからだと思う。うまく描きたい、誉められたい、綺麗に仕上げたい。そんな想いが先行してしまいがちな時に作者は何が本当に大切なのかをそっと教えて引きとめてくれる。自分の貧しさをさらけ出す勇気、上手ではなくても何かしらの良さがあり、それを自分で見つけて育てていくなど人生論ともいえる話に励まされる。2015/11/05
mura_ユル活動
16
真田太平記などの挿絵を手がけた画家風間完氏。絵を創作する際の心や態度、道具などを解説。内容は読み返す度に味が出てくる文章と思う。女性の顔を描く場合は眼と口が主役。リンゴも表皮プラス甘酸っぱさの表現。物を良く見ること。受験勉強は他人と競うので競技の様。本当の勉強の意味からは外れる。絵を描く人は友情が大事と。本当の友情は無関心を粧っていることが多いから、それとわかるのは時間がかかる。私自身、子供の頃は鉛筆を持たせたら何時間でも描いていたというくらい、絵が好きだった。文具店で自分に合う鉛筆を探して見ようかなあ。2013/04/22
はかり
10
これは読了まで時間がかかった。作者が何を言いたいのか良く分からない。一流画家の言うことは素人には理解しがたい。もっと入門者への初歩の技法を教えるものかと思ったが、精神論に終始した感じ。2018/08/27
RingWondeRing
7
技術的な入門というより、絵を描くと思い立ったその時に鉛筆一本紙一枚で気のおもむくままにってすてきじゃないですか。というモチベーションを語ってくれる本でした。中一の時、クラスメイトをモデルにデッサンをしたことがあってとても鉛筆画に面白さと適性を感じました。が、なんか自分の中で「所詮は下書きだもんな。こんなのを好きじゃいけない」と勝手に思い込み、鉛筆画を下に見ていました。その頃水彩画が苦手で結局、絵自体を描かなくなってしまいました。当時、鉛筆だけで完結できる絵の世界があると気づけたらよかったなーって思います。2021/04/16