内容説明
北アルプスの〈表銀座〉、大天井岳から槍ヶ岳へぬける喜作新道。大正時代、このけわしい尾根道を独力で切り拓いた牧の喜作は、北アルプスに鳴りひびいた名鉄砲打ちであった。その喜作が、ある日、猟にでかけた雪の山で謎の死をとげる。事故か、謀殺か?著者一流の克明な取材と、サスペンスにみちた推理構成で、この超人的山男の生涯を追う。
目次
欲の道・喜作新道
牧の喜作
工女と学生
上高地の常さと牧の喜作
槍ケ岳に降りた天女
北鎌尾根の英雄たち
棒小屋沢の謎
恐怖の野陣場小屋
無念の墓
北の衆の縄張りにて
追跡・もう一人の人
牧の悲歌
猟犬ペス東鎌に消ゆ