感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きぬりん
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朝日の運動部記者として鳴らした著者が、スポーツの様々な当世事情を憂うエッセイ集。80年代初頭の刊行ゆえ、ON砲や江川事件、モスクワ五輪ボイコットやトリム運動の流行など、言及される話題の古さは否めない。他方で、すでに商業化や少年スポーツの過熱が進展していた時代でもあり、もはや安直なアマチュアリズム幻想は感じられない。著者の基本的姿勢は、本来スポーツとはもっぱら楽しみのためだけに行われる自由で主体的な活動であるというもので、その原則に立脚するところから、スポーツを食い物・台無しにする様々な動向を批判する。2023/08/16