朝日文芸文庫<br> 街道をゆく 〈10〉 羽州街道、佐渡のみち

朝日文芸文庫
街道をゆく 〈10〉 羽州街道、佐渡のみち

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  • サイズ 文庫判/ページ数 227p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022601803
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0126

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

52
<1羽州街道、2佐渡のみち>1、紅花や芋煮の話も面白かったが、米沢藩家老の直江兼続と上杉家の歴史話が印象深い。そして芭蕉の句でおなじみの立石寺があるためか、芭蕉句についての記述も興味深い。2、言わずと知れた佐渡金山。そこで働かされる人たちや利権に絡むお話は当時の話は、この時代だけではなくいつの時代でも起こりうる話なのかもしれない。そしてこの島は「軽罪の流人の地」であった。この島に送られた人たちの話と共に佐渡の歴史や風土の話を読むとこの島に訪れたくなる。2017/09/06

雲をみるひと

27
街道をゆくシリーズの山形、佐渡編。作者の歴史、特に江戸時代の歴史に対する造詣の深さがよくわかる作品。本作品の舞台、とりわけ佐渡は執筆時からかなり環境が変わったと思われる。山形や佐渡の往時に思いをはすこともできる作品だと思う。2023/05/17

なつきネコ

14
大阪冬の陣における杉原親憲の活躍や、謙信公の遺風の件はカッコいいな。佐渡の歴史を見ても金に鈍感だった日本人には納得。大久保長安の能力でかなりの不正蓄財をしていた。川路が佐渡奉行を経験して佐渡人に不満があったとは。鼠浄土の話はなかなか面白い。鼠の様子に地下に鼠の世界があるとか、ケルトだと妖精の地下世界なのに、日本だと鼠になるのか。しかし、孫悟空に置ける敵は官僚がモデルだとか、地方では化け物だが、観世音菩薩のそばだと金魚になるか。わらえるな。しかし、辻藤左衞門や、無宿人はあわれだな。2017/06/05

たカス

13
★★★☆☆山形と佐渡。関ヶ原のあと上杉は会津120万石から米沢30万石に押し込められ幕末まで破産寸前に苦しんだが、同じく減封された長州は北前船などの貿易港を持つ場所だったため倒幕の力を蓄えることができた。もし秀吉の会津移封がなく海沿いの越後のままだっだらとしばし妄想する。海坂藩は出てこないが、山形は譜代がころころ変わり領民なつかず。佐渡は金山があったため直轄領で官僚政治の弊害。2017/02/21

AICHAN

12
司馬さんは米沢に寄った。上杉家は謙信のときは越後を治めていたが、秀吉時代に会津に移る。上方で三成が挙兵したら会津の上杉家は北から狸を撃つ手はずになっていが、その密謀は瓦解する。狸は上杉家を米沢という小さな土地に封じ込め、上杉家の困苦が始まる。上杉家は質素を信条にやっと生きた。その功は家老の直江兼続にあった。中興の祖の上杉鷹山は質素倹約をいよいよ徹底させ、しかし領民が飢えないよう手を打った。飢饉のときに領民に分ける米を蓄え、年寄りのために福祉政策のようなこともした。この鷹山の経営は外国人の評価も高い。2015/04/20

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