朝日選書<br> 足軽の誕生―室町時代の光と影

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朝日選書
足軽の誕生―室町時代の光と影

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  • サイズ B6判/ページ数 223,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599940
  • NDC分類 210.46
  • Cコード C0321

出版社内容情報

幕府・朝廷が京に一極集中した室町時代。首都には物資が集まり、花の御所、喫茶、バサラ大名など華やかな文化が展開する一方、荘園支配は守護に一任され、地方支配は変化を余儀なくされた。
15世紀半ば、嘉吉の乱による将軍暗殺のあと、幕府は求心力を低下させ、首都近郊では一揆が続発。主を失った牢人が京にたむろし、博打に興じ、乱暴を行うなど混乱を生じさせていた。その後の10年に及ぶ応仁・文明の乱で暗闘した足軽は、いったいどこから現れ、何をしていたのか。下剋上そのものといわれた足軽の姿を明らかにし、室町時代の実像に迫る。
(目次)
Ⅰ 首都京都の誕生
Ⅱ 京郊荘園の変容
Ⅲ 足軽・牢人の誕生――暗転する室町の社会
Ⅳ 牢人都市京都
Ⅴ 嘉吉の乱後の幕府政治――交錯する光と影
おわりに 爛熟の果てに

内容説明

15世紀後半、応仁の乱で焼失した花の御所の跡地周辺は、盗賊、博徒などのならず者がたむろし、毎夜強盗がおき、殺害された人や死人が道に捨てられ、集団で飲んでは喧嘩におよぶというありさまだった。室町幕府がひらかれ、都と地方の往来は頻繁になり、さまざまな物・人が流れ込み、京都は膨大なエネルギーを吸収して活況を呈していたが、恐怖政治、将軍暗殺と政治制度は疲弊し、御家騒動、土一揆の頻発で地方支配は機能不全に陥った。ならず者=足軽は、どんなきっかけで故郷を捨て、京にやってきたのか。だれを頼ってどこに住み、何をして生計を立てていたのか。足軽の発生を解き明かし、室町時代の光と影を描きだす。

目次

1 首都京都の誕生(都に住んだ武家;荘園をとりまく人びと)
2 京郊荘園の変容(武家にとりいる荘民たち;広がる被官化;蒲生貞秀の成長)
3 足軽・牢人の誕生―暗転する室町の社会(足軽予備軍;没落人の行方)
4 牢人都市京都(諸国牢人上洛事件;退廃する京郊社会)
5 嘉吉の乱後の幕府政治―交錯する光と影(奉行人たちの季節;伊勢貞親登場;応仁の乱への道)

著者等紹介

早島大祐[ハヤシマダイスケ]
1971年、京都府生まれ。京都女子大学准教授。専門は日本中世史。京都大学大学院文学研究科博士後期課程指導認定退学。文学博士(京都大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こきよ

68
政治的に不安定な土壌が、足軽或いは浪人といった法外者を生み出すに至ったのであるが、彼等が都に集まり、戦国の気風を醸成し、やがて大乱を巻き起こす流れが上下に生まれたと言ってもよかろうか。北山、東山文化といった華やかな時代でありながら、アウトローが跋扈する側面も併せ持つ。室町時代はつくづく面白い時代である。2014/11/30

mitei

48
足軽って今で言うフリーターみたいな感じに感じた。しかしこの頃の京都が歴史の中心になってたように思った。2012/12/02

niwanoagata

17
面白かった…が、読むのに時間をかけ過ぎた(まとまった時間が取れなかった)のと、自分が荘園とか擾乱以降応仁の乱以前あたりの政治情勢に疎かったせいで多少理解に苦しんだ 荘園の管理や都との繋がりなど、知らないことが多い分ハッとさせられるところも多かった。ただどこか理解しきれてないのか、読み終わってスッキリはしなかった。もしかしたら理解できてれば反論乃至何かしら言いたかったのかもしれないが、やはり理解しきれてないので自分でもわからない もう少しこの時代を勉強した後にもう一度読んでみたい。全体的に面白かったのは確か2020/04/25

May

6
幕府が京に拠点を置いたことに始まる室町時代論。「足軽の誕生」までの政治的、社会的経緯が主題。著者の主張(2012初版)が今(2024)どのように評価されているのか分からないが、面白く読む。「むすび」に主張が論理的にまとめられているので、まずはここを読もう。その上で本文に当たった方が理解が進むこと間違いなし。都鄙交通の活発化、牢人流人の流入、政治制度の疲弊と改革、それによる守護の台頭などなど。2024/12/01

色々甚平

6
応仁の乱を軸に、その前後から足軽が群れとなって現れはじめた背景には何があったのかを政治的な面から個人の面まで記している。読む前の前提として、応仁の乱がどういう経緯で誰が中心人物だったかなどは抑えておかないとついていくのが大変だと思う。この乱周辺が、日本の東西での大きな戦争であっただけの話ではなく、農民から公家、都の京を中心に、構造そのもののとても大きな転換期になっていたことを知れた。頁数は多くないが読み応えのある本だった。2021/04/27

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