出版社内容情報
幕府・朝廷が京に一極集中した室町時代。首都には物資が集まり、花の御所、喫茶、バサラ大名など華やかな文化が展開する一方、荘園支配は守護に一任され、地方支配は変化を余儀なくされた。
15世紀半ば、嘉吉の乱による将軍暗殺のあと、幕府は求心力を低下させ、首都近郊では一揆が続発。主を失った牢人が京にたむろし、博打に興じ、乱暴を行うなど混乱を生じさせていた。その後の10年に及ぶ応仁・文明の乱で暗闘した足軽は、いったいどこから現れ、何をしていたのか。下剋上そのものといわれた足軽の姿を明らかにし、室町時代の実像に迫る。
(目次)
Ⅰ 首都京都の誕生
Ⅱ 京郊荘園の変容
Ⅲ 足軽・牢人の誕生――暗転する室町の社会
Ⅳ 牢人都市京都
Ⅴ 嘉吉の乱後の幕府政治――交錯する光と影
おわりに 爛熟の果てに
内容説明
15世紀後半、応仁の乱で焼失した花の御所の跡地周辺は、盗賊、博徒などのならず者がたむろし、毎夜強盗がおき、殺害された人や死人が道に捨てられ、集団で飲んでは喧嘩におよぶというありさまだった。室町幕府がひらかれ、都と地方の往来は頻繁になり、さまざまな物・人が流れ込み、京都は膨大なエネルギーを吸収して活況を呈していたが、恐怖政治、将軍暗殺と政治制度は疲弊し、御家騒動、土一揆の頻発で地方支配は機能不全に陥った。ならず者=足軽は、どんなきっかけで故郷を捨て、京にやってきたのか。だれを頼ってどこに住み、何をして生計を立てていたのか。足軽の発生を解き明かし、室町時代の光と影を描きだす。
目次
1 首都京都の誕生(都に住んだ武家;荘園をとりまく人びと)
2 京郊荘園の変容(武家にとりいる荘民たち;広がる被官化;蒲生貞秀の成長)
3 足軽・牢人の誕生―暗転する室町の社会(足軽予備軍;没落人の行方)
4 牢人都市京都(諸国牢人上洛事件;退廃する京郊社会)
5 嘉吉の乱後の幕府政治―交錯する光と影(奉行人たちの季節;伊勢貞親登場;応仁の乱への道)
著者等紹介
早島大祐[ハヤシマダイスケ]
1971年、京都府生まれ。京都女子大学准教授。専門は日本中世史。京都大学大学院文学研究科博士後期課程指導認定退学。文学博士(京都大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こきよ
mitei
niwanoagata
May
色々甚平
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