朝日選書
液晶の歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 535,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599827
  • NDC分類 549.02
  • Cコード C0340

内容説明

ディスプレイ素材として日本産業界の花形になった液晶は、百年以上前にプラハでニンジンの抽出液から偶然に見つかった。以後、この謎の物質をめぐっては、その本質についてのさまざまな理論が生まれ、誰が発見者かをめぐって争いがあり、ヨーロッパの国家対立を背景にした液晶学者たちの応酬があった。二つの大戦と冷戦のはざまに消えていった開拓者たちもいた。戦後になると世界を舞台に国家威信をかけた実用化への競争が始まったが、最後に勝利したのは先発のヨーロッパでも後発のアメリカでもなく、戦後まで液晶とは無縁だった日本の企業技術者たちだった…。テレビ、パソコン、携帯電話など今日、誰もがなじみの液晶をめぐる、誰も知らないドラマにみちた歴史。

目次

液晶とは何か
流れる液晶―事実か虚構か
液晶、それはどこからきたのか?
フランスの栄光
幻の会議と実現した会議
生命の糸
戦争の嵐
ルネサンス
ありえない話
西の世界で夜が明ける
東の世界に日が昇る
液晶物質の新世界
科学と歴史 二つの文化
日本における液晶技術の開発

著者等紹介

ダンマー,デイヴィッド[ダンマー,デイヴィッド][Dunmur,David]
1940年、ロンドン郊外のヘイズに生まれ、オックスフォード大学で学部と大学院の学位をとる。分子物理学専攻。ブリストル大学に新設の理論化学科で3年間、研究生としてすごしたあと、シェフィールド大学の化学の講師となり、1993年から1999年まで、同大学化学科の学科長を務める。1980年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校でフルブライト研究員。1999年、イギリス・液晶協会からジョージ・グレイ・メダルを受ける。1995年からサウザンプトン大学化学部の研究教授を2005年まで務める

スラッキン,ティム[スラッキン,ティム][Sluckin,Tim]
1951年、ロンドンに生まれ、ケンブリッジ大学とノッティンガム大学で学ぶ。ノッティンガム大学で1975年に液体ヘリウムの理論物理で博士号をとる。イギリスとアメリカで数年、博士研究員をしたのち、1981年、サウザンプトン大学で応用数学の講師となる。1995年から同大学で教え応用数理物理学教授となる。その間、フランス・グルノーブル大学、イタリア・ミラノ大学、イスラエル・ハイファ大学などで研究生活をおくる。研究の中心は液晶の数理・物理的側面で、一般の液体現象にも関心をもつ

鳥山和久[トリヤマカズヒサ]
1935年、札幌生まれ、学習院大学理学部卒、東京大学大学院(化学系)博士課程修了、分子分光学専攻。理学博士。1964年から、日立製作所(中央研究所、日立研究所、電子管事業部=茂原工場)で主として液晶の研究開発を進め、さらに液晶ディスプレイの開発・製品化に従事。1990年から2005年まで、埼玉短期大学情報メディア学科教授。1989年から1990年、シェフィールド大学でダンマー教授と液晶の共同研究に従事。研究の中心は液晶の分子レベルの誘電物性の研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社トリスタの提供する「読書メーター」によるものです。

melkor

2
物質の第四の形態なのにディスプレイの素材としか思われてない節のある液晶。人類がその存在に気づいてから100年強の歴史がここにある。偉大なる発見や考察からガキまがいの愚かしい名付け喧嘩まで、読み応え抜群だ。時々間違えている技術解説は歴史が膨大だからなのか読者への挑戦か、面白い。  圧巻は著者に指名されたという訳者である。世間で全く通用しない単語を振り回すだけじゃない。"twist弾性"の結果である"twistedネマチック"を、片や「ねじれ」片や「よじれ」と訳すのである。これにはフリーデルも脱帽するだろう。2012/02/19

Minyole

1
すごい本です。圧倒的な情報量と著者による様々な切り口から、液晶の物語が熱く語られています。科学の発見がどのようにして常識に変わっていくか、その課程の科学者達の決して品格があるとは言えないが真剣な闘い、主役の国が移り変わっていく様、戦争が落とした蔭、生命の神秘との接点、デバイスへの応用競争と敗者と勝者、等々。また、要所要所に科学的知識の解説が挿入されていて、本編の理解を助けてくれます。読むほうも覚悟が要りますが、格闘する価値のある本だと思います。2016/03/03

Hajime Ito

1
19世紀にプラハで人参の抽出物から流れるのに液晶という奇妙な物質が見つかってから二度にわたる世界大戦に翻弄された液晶研究者たち、そして当初実際的用途がないと思われていた液晶を用いた熾烈なディスプレイ研究開発競争の末、シャープ等の企業技術者達が勝者となるまでの歴史。液晶自体の解説が充実していたので読むのに気合が必要でしたが、「科学そのものについてきちんと語らない科学史は信仰のない神学書のようなものだ」という信念に支えられており、読後の満足感はとても高い本です。2015/06/16

is49

1
液晶が発見されてからディスプレイに応用されるまでの歴史が詳細に書かれた大著。あまりに長大なので読むのが大変で、読み終わるまでに1年以上かかりました。そもそも液晶という状態が存在するのかについての白熱した議論や、使い道がないだろうと放置されていた液晶がディスプレイに応用されて成功するまでの過程はなかなか読み応えがありました。液晶がどんな状態か、またその分子配向がどうなっているか等、液晶の基礎知識がないと読むのは難しいと感じました。2013/10/25

ななみ

1
人間である以上、科学者にもドロドロした欲望があり、また社会や政治と切り離されているわけでもない。世界を支える液晶技術にもそういう歴史があったんですねえ。液晶と原爆との思わぬ関わりや共産圏への十人十色の接し方など、実に面白く示唆深い。もちろん液晶技術そのものの話も面白い。2011/11/11

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