内容説明
木曾義仲、頼朝・義経、そして平家の三つ巴の戦いから源平合戦へと急激に転回する巻七から九を収録。木曾義仲が京に迫り、平家都落ち(巻七)、義仲と頼朝の対立が決定的に(巻八)、義経軍が義仲を破り、さらに一ノ谷に陣を敷く平家の大軍を急襲(巻九)。
目次
巻第7(清水冠者;北国下向 ほか)
巻第8(山門御幸;名虎 ほか)
巻第9(生ズキノ沙汰;宇治川先陣 ほか)
付図(木曾義仲進攻図;武具図着装図)
感想・レビュー
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nagoyan
1
優。巻第七は木曽義仲と頼朝の不和と義仲嫡男清水冠者義重を人質とする挿話で始まる。義仲は怒涛の勢いで北陸を制し京へと迫る。平家は山門の支持を得ようと書を出すが、既に義仲の要請を了承した後であった。安徳天皇、平家公達は都を捨てて西海に逃れていく。住み慣れた家屋敷を捨て交誼のあった人々と別れ、家族を連れて行く者。あるいは、泣く泣く残していく者。遂には福原にすらとどまることができない。巻八、西国に逃れた平家は九州・大宰府を追われ、あるいは四国の武士にも背かれ落ち着くことができない。他方、京に入った義仲は次第に人望2011/06/27
はまい
0
平家を京から追い散らした義仲だったが、傍若無人振りがたたり、自らも都落ち、そして討ち取られる。妹尾父子のエピソード、小宰相身投終盤、二人の馴れ初めが綴られている箇所が好き。2016/01/22