内容説明
1543年、日本に鉄砲がもたらされた。このかつてない最強の兵器・鉄砲が、戦国の争乱に終止符を打った。そして豊臣秀吉の「刀狩り」により、すべての武器が没収され、民衆は武装解除されてしまった―!?日本人は鉄砲を取り上げられたわけではなかった。それどころか、江戸時代の百姓は戦うことを本業とする武士よりも鉄砲を多く持っていた。「鉄砲改め」を行った家綱、「生類憐みの令」の綱吉、鷹狩り好きの吉宗からアウトローが跋扈する幕末まで、2世紀にわたる泰平の世を築いた江戸幕府の下で、百姓たちはなぜ、どのように鉄砲を死守していったのか。将軍の行う「鷹狩り」は銃規制とどのように関係したのか。銃の摘発強化のなかで、幕府・役人・鳥獣としたたかな攻防をくり広げ奮闘する百姓たちの姿を、江戸時代の文書を一つ一つ丹念に読み解きながら描きだす。
目次
はじめに―鉄砲を手にした百姓
第1章 鉄砲改めの始まり―家綱政権(一六五一~一六八〇)
第2章 生類憐みのかげに―綱吉政権(一六八〇~一七〇九)
第3章 復活した鷹場とともに―享保の改革(一七一六~一七四五)
第4章 暗躍するアウトロー―大御所時代(一八三七~一八四一)
第5章 上知令とあわせて―天保の改革(一八四一~一八四三)
終章 鉄砲を選んだ百姓
おわりに―“武器”から“農具”へ
著者等紹介
武井弘一[タケイコウイチ]
1971年熊本県生まれ。東京学芸大学大学院修士課程修了。千葉敬愛高等学校教諭・東京学芸大学附属高等学校大泉校舎教諭を経て、琉球大学法文学部准教授。専門は日本近世史。NHK高校講座日本史を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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