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朝日選書
鉄砲を手放さなかった百姓たち―刀狩りから幕末まで

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  • サイズ B6判/ページ数 241p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599681
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0321

内容説明

1543年、日本に鉄砲がもたらされた。このかつてない最強の兵器・鉄砲が、戦国の争乱に終止符を打った。そして豊臣秀吉の「刀狩り」により、すべての武器が没収され、民衆は武装解除されてしまった―!?日本人は鉄砲を取り上げられたわけではなかった。それどころか、江戸時代の百姓は戦うことを本業とする武士よりも鉄砲を多く持っていた。「鉄砲改め」を行った家綱、「生類憐みの令」の綱吉、鷹狩り好きの吉宗からアウトローが跋扈する幕末まで、2世紀にわたる泰平の世を築いた江戸幕府の下で、百姓たちはなぜ、どのように鉄砲を死守していったのか。将軍の行う「鷹狩り」は銃規制とどのように関係したのか。銃の摘発強化のなかで、幕府・役人・鳥獣としたたかな攻防をくり広げ奮闘する百姓たちの姿を、江戸時代の文書を一つ一つ丹念に読み解きながら描きだす。

目次

はじめに―鉄砲を手にした百姓
第1章 鉄砲改めの始まり―家綱政権(一六五一~一六八〇)
第2章 生類憐みのかげに―綱吉政権(一六八〇~一七〇九)
第3章 復活した鷹場とともに―享保の改革(一七一六~一七四五)
第4章 暗躍するアウトロー―大御所時代(一八三七~一八四一)
第5章 上知令とあわせて―天保の改革(一八四一~一八四三)
終章 鉄砲を選んだ百姓
おわりに―“武器”から“農具”へ

著者等紹介

武井弘一[タケイコウイチ]
1971年熊本県生まれ。東京学芸大学大学院修士課程修了。千葉敬愛高等学校教諭・東京学芸大学附属高等学校大泉校舎教諭を経て、琉球大学法文学部准教授。専門は日本近世史。NHK高校講座日本史を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みさどん

14
手放さなかったとあるけれど、百姓の鉄砲をコントロールしようとする様子が詳しく解説されていた。徳川幕府の細やかな施政が日本をまとめていけたのだ。鷹狩りは大きな要因だし、上に立つものの個性ややり方で変わる様まで見えたのが面白かった。鉄砲は統制されるべきものという刷り込みがこの時代から始まっていたようで、銃で悩める国を見ていると、よかったのだと思える。2017/04/06

kyoko

7
江戸時代の見直しがされてるが、この本を読んでもそう思う。したたかに生きていた百姓の姿が見える。2017/11/29

がんぞ

5
差別語として農民と言い換える向きもあるが、百姓は農業だけしていたのではない。江戸時代、貨幣経済の発達でジビエを含む諸産業に従事…/家光の生類憐令により廃止された鷹狩が、吉宗の代に将軍権威のため復活。鷹の生息のため小鳥を捕ることが禁じられ、鉄砲も厳しく管理された。しかし狼、猪、鹿などの獣害を防ぐには鉄砲は不可欠。「隠し鉄砲は届出れば無罰」という触れにより普及していたのがわかる/家斉の長期放漫政治。しかし外敵と財政破綻が迫っていた/一揆には筵旗も正規武器も用いない/水野忠邦は、火薬を取り締まることで鉄砲を統制2021/03/19

shampo

2
農具として鉄砲を必要とした村とそれを管理したい幕府の江戸時代を通じた鉄砲に対する扱いの変遷が関東を中心にまとめられている。 関東平野の多くが将軍の鷹狩りの場であったが故に鳥獣の狩猟が禁止されたというのは全く知らなかった。当時から山林の環境保全と言う物が(動機はともかく)行われており、しかもそれによってかなり野生動物の数や生活を変化させていたという辺り江戸時代の関東は随分現代的な印象を受けた。2020/01/19

めい

2
鉄砲没収されたのは、昭和20年だった。鉄砲を通して見える歴史が、面白かった。水野忠邦のイメージも少し変わった。2014/08/06

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