内容説明
第一次世界大戦以来、映画は実際の戦争から多くのことを「学んだ」。空爆をおこなう爆撃機からの撮影、従軍カメラマンによる戦場撮影はその典型だ。そして、国家の側も撮影技術を軍事技術に転用し、プロパガンダ=宣伝戦の「武器」として映画を大いに利用してきた。PART1では、このような映画と戦争の「共犯関係」を歴史的に読み解いていく。一方で我々は、誰しも戦争を憎悪しながら、「戦争映画」を見ることの快楽も知ってしまった。PART2では、スティーブン・スピルバーグの『宇宙戦争』をはじめ、数々の「戦争映画」を詳細に分析し、その“面白さ”を再発見していく。映画論と戦争論を大胆にクロスさせたスリリングな試み。
目次
1 映画と戦争(総力戦という戦争機械;劇映画と世界大戦;戦争プロパガンダ映画について;戦争映画を享楽する心性;死の表象)
2 戦争映画論(スピルバーグ『宇宙戦争』における「戦争」と「9・11」の表象;空中戦のスペクタクル―ウェルマン『つばさ』、阿部豊『燃ゆる大空』、ヒューズ『地獄の天使』;屠られる兵士たち―キューブリック『突撃』、ロージー『銃殺』;ポルトガルの戦争史を語り直す―オリヴェイラ『ノン、あるいは支配の空しい栄光』;通過儀礼としての戦争―ヒューストン『勇者の赤いバッヂ』;黙示録としての“新しい戦争”―キュアロン『トゥモロー・ワールド』;「戦争映画」を異化する―ゴダール『カラビニエ』;戦争映画ベスト30)
著者等紹介
藤崎康[フジサキコウ]
1950年、東京都生まれ。1977年、慶応義塾大学文学部フランス文学科卒業。1983年、同大学フランス文学科大学院博士課程修了。現在、慶応義塾大学、中央大学、学習院大学、日本ジャーナリスト専門学校の講師。専攻は表象文化論、映画研究、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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