内容説明
1949年に日本人初のノーベル賞を受賞した物理学者・湯川秀樹。2007年、生誕100年を機に、はじめてその日記が公開された。本書には、中間子論をまとめた1934年、湯川27歳の日記を抄録する。研究生活や、朝永振一郎ら研究のなかまとの交流がつづられているほか、室戸台風の被害や事件・事故、国際情勢などへの言及も多い。歌舞伎を楽しみ、ドストエフスキー、アナトール・フランスなど文学に親しむ素顔もうかがえる貴重な史料である。
目次
湯川秀樹日記(昭和九年一月一日~十二月三十一日;昭和十年一月一日~二月五日;補遺―昭和八年年末記)
著者等紹介
湯川秀樹[ユカワヒデキ]
1907年、東京生まれ。京都帝国大学理学部物理学科卒。理学博士。1949年、ノーベル物理学賞受賞。物理学者としてのみならず、平和論・文明論・科学論・教育論・人生論など、多彩な分野において影響力のある「知の巨人」として活躍した。1981年、没
小沼通二[コヌマミチジ]
1931年、東京生まれ。東京大学大学院修了。理学博士。専門は素粒子論。慶應義塾大学・武蔵工業大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
大学や研究所を往復し、論文に目を通し、家族や知人と話し、犬の散歩に行き、百貨店に出かけ、病院に通い、スリ被害に遭う。そんな昭和9年の著者の身辺雑記を収めた本書を読むと、9月に二児の父となって子育てに忙しい10月9日からγ'(ガンマ線)に関する記述が増え始めるのがわかる。原子核が安定しているのは、ガンマ線のように陽子と電子を結びつける未知の粒子の電磁力が核を束ねているのではないか?この着想は10月初めに見た夢から得られたという。欄外の数式はこの粒子の重さが電子の200倍であることを計算した走り書きだろうか。2022/03/17
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