内容説明
700万年前のアフリカで、類人猿との共通祖先から分かれて以来、私たちホモ・サピエンスまでのヒトの進化は一本道ではない。何度も「枝分かれ」を経験し、何種類もの人類が同時に地球上を歩く時代がつい最近まで続いていた。たとえば、がっしりした体形のエチオピクス猿人と華奢なガルヒ猿人、頑丈なボイセイ猿人やロブストス猿人と現生人類に続く系統のホモ・ハビリスやホモ・エレクトスが、共存していたらしい。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスも、同じ地域に暮らした証拠が残っている。ヒトの仲間とされるのは、ホモ・サピエンス以外に20種近く。そのうちいま生き残っているのは、サピエンスただ1種だけ。「われら以外の人類」たちが世界から姿を消したこの数万年は、長いヒトの歴史から見るとむしろ例外的なのだ。「共存」を軸にたどるヒトの来た道。
目次
序章 ホビットの島
第1章 最古のヒトを求めて
第2章 揺籃の地アフリカ
第3章 ヒトへの道を進む
第4章 広がるヒトたち
第5章 われらホモ・サピエンスの時代
エピローグ 見えた!「共存」の秘密―のんびりゴリラとこだわりチンパンジー
著者等紹介
内村直之[ウチムラナオユキ]
1952年東京都生まれ。朝日新聞科学医療部記者。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院博士課程単位取得後満期退学。1981年朝日新聞社入社。科学部、社会部、『科学朝日』編集部などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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讃壽鐵朗
3
新聞記者らしい書き方で、面白く読めた2017/09/24
takao
2
ふむ2022/08/16
まど
2
資料用。前に読んだ本とてりあわせて読むと分かりやすかった。2019/05/10
Takaki Kondoh
1
クロマニヨンとネアンデルタールが子を成していたことは『大地の子エイラ』で(創作だが)知ってたが、実際に各地のヒト遺伝子を調べたら、1〜4%がネアンデルタールらしい。で、昔の図鑑だとネアンデルタールから現世人類に進化したと書いてたが、現在の説ではホモ・サピエンスから両者が枝分かれした。そんな進化の道筋を詳説してある。ヒト最大の特徴は脳が大きいことで、大きすぎるために未完成で生むことになった。道理で動物と比べて、ヒトだけ子ども時代が長すぎるわけだ。脳のせいだったのか。なるほどなーと納得したのであった。2016/12/05
kinaba
1
☆ 書題に惹かれて。伝えたい事に強烈に焦点を合わせた名タイトルと思う。ネアンデルタール人やそれ以前の、ホモサピエンスではない人類について。執筆時点の最新の状況まで交えて解説。特に、いかに違う種が共存していたかという点がとても興味深いという関心を力強く伝えてくれる2016/02/13




