内容説明
正月、節分、節句、花見、七夕、月見、クリスマス…。暮らしの中の祭りや年中行事、習わしに、なぜ特定の草花や木が登場するのだろうか?植物と民俗の成り立ちをたどる。
目次
神と交わる木、マツ
アズキの威力
春の七草の変遷
節分植物を推理する
ウメの香
ツバキ五千年
ひな祭りの背景
花祭りの底流
花見の源流
フジの象徴と実用
端午の植物
縁起と忌みに使われるウツギ
ユリの伝統
七夕に神のタケ
アサガオとホオズキの市
多目的作物ヒョウタン
盆の花
秋の七草考
ススキの系譜
サトイモは基層食物
モミジとカエデの国
キクの行事
クリスマス植物の由来
化身の花スイセン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れどれ
2
古来より伝わる行事、習俗に植物がいかほど関係しているか、由来するか、重要な位置を占めてきたのか。事実に基づく断定のみならず、筆者の広範な知識と研究による推定がそれと折り重なっていく記述は大変魅力。知の豊かな運用という感じ。2021/08/28
デンスケ
2
湯浅浩史氏の著書はほぼそうであるが、この方の博覧強記ぶりにはほとほと関心する。一方、推論も多く、その旨は理解の上で読むには面白いです。1993年発行のため新書での購入は難しいかも。でも今、読んでも楽しめます。そういう点で古本屋さんの存在に感謝 m(_ _)m2015/07/11
もとやあね
1
再読。行事の由来やそれにまつわる物事、アイテム(この本は植物)を見るのが好きなもので。久しぶりに読みました。日本だけでなく世界各地の木々、花に対する人々の畏敬の念や感情を追跡するのにいい手掛かりとなりました。
eastwood
0
世界各地(中国、ローマ、ギリシャ、アイヌなど)の民俗、風俗、歴史を検証しており、日本の文献では、古くは『日本書紀』、『古事記』、『万葉集』などの和歌からも植物と年中行事の関わりを読み解いている。 日本文学専攻だったので、懐かしく興味深かった。2009/01/30