朝日選書<br> リスボンの春―ポルトガル現代史

朝日選書
リスボンの春―ポルトガル現代史

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19X13cm
  • 商品コード 9784022595485
  • NDC分類 236.9
  • Cコード C0322

内容説明

カーネーションを手にした市民が町にあふれた無血革命―。1974年4月、半世紀に及んだ独裁政権がついえた。EC統合に向けて、ポルトガルはどう変わったのか。元首相や革命の指導者へのインタビューをもとに、74年革命とその後を検証する。

目次

第1部 カーネーション革命とその後(サラザールの時代;カーネーション革命へ;声なき大衆の行進;75年3月のクーデターと9人文書;11月25日の逆転;革命の挫折とオテロの逮捕;カヴァコ・シルヴァの安定政権)
第2部 革命の主役と引き揚げ者たち(アントニオ・セバスチャン・リベイロ・デ・スピノラ 元帥;ヴァスコ・ゴンサルヴェス 元陸軍大将;ヴィクトル・クレスポ 海軍少将;ペザラット・コレイア 元准将;ヴァスコ・ロウレンソ 陸軍中佐;サンチェス・オソリオ 元陸軍少佐;アルベルト・アマラル ポルト大学学長;ナティヴィダ・ヴィエイラ ポルト大学講師;セザル・ルイス・モライス・デ・セルパ・ロザ ポルト大学講師;パウロ・ジョゼ・タリャーダス・ドス・サントス ポルト大学助手;ジョアン・ナヴァロ裁判所書記;カンポス・デ・オリヴェイラ 実業家;エンリケ・ジョゼ・ブランキーニョ・デ・オリヴェイラ 会社社長)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

7
良書! 1928年、混迷のポルトガルを救うため乞われて蔵相になったサラザール。カトリック社会主義出身の彼は財政再建に成功し、独裁へ。「職能組合を新体制のイデオロギーの中核にすえた。それは…リベラリズムとユートピア的社会主義の折衷的産物」。悪夢のような独裁政権の日々。1974年、ついに無血クーデターは成るが、解放された共産党と社会党トップの対立は激化し、ストとデモ、労働への無気力がポルトガル全土を支配するようになる…。後半はクーデターを指揮した軍人や植民地の人々へのインタビューだが非常に勉強になる。2016/04/21

夏子

7
ポルトガルの近代史。前半のカーネーション革命の流れはそれぞれの人物や政党の立場がややこしくて難しかったが後半の革命の主役と引揚げ者達へのインタビューはまだ生々しい記憶の残っている感じがとても印象的だった。2015/05/09

印度 洋一郎

3
1920年代のサラザール独裁政権から、1970年代の民主化革命、そして1980年代の民主化定着までを概観。カリスマ性も思想もない不思議な独裁者サラザールの政権が1970年代に軍部内の急進派や左翼政党に打倒されるが、革命後は軍と政党は権力闘争を繰り返す複雑怪奇な政局が80年代まで続くという、混迷のポルトガル現代史が書かれている。人物を整理しながら読まないと途中でわけがわからなくなった。後半は革命時の当事者とアフリカの旧植民地からの引揚者へのインタビュー。政治家は一様に口が重く、引揚者は植民地への郷愁を語る。2020/03/14

セレーナ

2
「リスボンへの夜行列車」で知ったカーネーション革命について知りたくなり手にとった。流れは掴みやすい。社会主義、社会民主主義、共産主義をひっくるめて考えていたが後半の要人(革命ないしクーデターの立役者などの軍人)・市井の人のインタビューで自らの思想について明確に分けていた。ポルトガル現代史を理解するにはこの辺の知識が必要と思う。また、モザンビークやゴアなどの植民地戦争について初めて考えた。衝撃的だったのは二等市民という位置付けである。同じ白人であっても植民地出身者は目下。これでは人種差別が有るわけだ。2018/12/26

工藤 杳

2
ポルトガルのカーネーション革命を知るにはこの上ない著作。植民地の側からの視点として『ゲリラの朝』と一緒に読むといいかもしれない。 後半のインタビューが資料として貴重。歴史の立役者とともに、一般市民の声。そして著者自身のオブセッションである「引き揚げ者」。2018/02/23

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