江戸の動植物図―知られざる真写の世界

江戸の動植物図―知られざる真写の世界

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  • サイズ B5判/ページ数 161p/高さ 26X21cm
  • 商品コード 9784022584465
  • NDC分類 721.025
  • Cコード C0071

内容説明

江戸時代、動植物図を盛んにしたものに、各藩が殖産事業をなすにあたって「諸国産物帖」を編纂したことがある。以後、大名が自らすすんで図を描いたり、絵師をかかえるようになり、武士ばかりでなく医師や町人などからも多くのナチュラリストが輩出した。競って動植物の確かな観察による「真写」「生写」を目ざしたのであった。図譜の普及に力のあった木版画がこの時代に大いに発達して次々に動植物図集が刊行されたが、これには費用がかかりすぎたため、いまだに印刷されずに世に誇るべき優れた動植物図が埋もれたままになっている。江戸時代の財産としてわれわれに残されているのである。本書は、それらの一端を、新撮影して紹介しようとするものである。

目次

松平頼恭公と三木文柳
森野藤助の『松山本草』
応挙、若冲、春渓の動植物画
灌園、慾斎、渓愚の植物図
丹洲、雪斎、楽圃の虫譜
武蔵石寿の『目八譜』
奥倉魚仙の『水族四帖』
堀田正敦候の『堀田禽譜』
異才関根雲停の動物図
座談会・江戸の動植物図の豊かさ
総論・江戸期の植物図・動物図の発展

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tera。

21
江戸時代、医学の振興のために薬となる動植物を調べたり、各藩が殖産事業を行うにあたり「諸国産物帖」を編纂するために、確かな「真写・正写」が発達した。本書はそれらを紹介した一冊。どれも素晴らしい出来映えで、ため息が出る作品ばかり。カメラのない時代に動き回る鳥獣を、これ程迄に正確で美しく描いた先人の努力と才能に脱帽する。また正確な中にも絵師としての個性を感じさせる事が憎らしい。2014/01/01

17
写真もなく標本技術も低い時代、動植物のより正確な医学的、博物学的、自然学的な知識を求める人々に必要とされた図譜の「真写」の絵画とそこから生まれた芸術作品。生命が宿っているような細密で写実的なリアルさと同時に、あざやかな絵画の様式美や抽象美も表現されていて素晴らしいです。森春渓の「肘下選蠕」、応挙の「孔雀牡丹図」、若冲の「群鶏図」、石寿の「目公譜」など、絵師それぞれに独自性があり、真と美を丹念に描こうとする探究心と情熱も伝わってきます。現代の画家が描いたと言われたら信じてしまう時代を超えた作品にも驚きます。2014/09/08

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