内容説明
ついにスタジアムから球音が消えた…プロ野球史上初のストライキ。その背後にはどんな経緯や葛藤があったのだろうか?オーナーたちはどんな思惑を秘めていたのか?選手会は何を考え、いかに悩み、どのように決断したのか?朝日新聞スポーツ部が総力を挙げて全真相を追った渾身のノンフィクション。
目次
1 勃発―6月13日 近鉄・オリックス合併構想浮上
2 迷走―7月7日 堤オーナー「もう一つの合併が進行中」
3 退場―8月13日 渡辺オーナー辞任
4 苦悩―9月6日 選手会、週末限定ストを発表
5 決行―9月17日 ついにストライキ突入
6 決着―11月2日 新球団は楽天に決定
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しーふぉ
16
混迷の原因の一つがコミッショナーのリーダーシップ不足。ナベツネのセ・リーグの球団が認めないのなら巨人はパ・リーグに移籍するとまで言い始め、強引な1リーグ制へのこだわりは何だったんだろう?ライブドアではなく楽天に新規参入を認めた辺りも不透明だった。2017/03/11
みなみ
13
ストの日にハマスタに立ち寄ったのを覚えている。選手会の頑張りとファンの後押しで12球団が維持されたことは、プロ野球ファンにとってはある種の成功体験だと思っていたが、でもオリックスと近鉄が合併して、近鉄は残せなかったのだ。その時に生まれたオリックス・バファローズが逆指名でないドラフト指名で黄金時代を作り上げた現在に読んだわけだが、この時期のプロ野球は本当に行き詰まっていたのだな……それにしてナベツネの「たかが選手」発言が神風になったのは、萩生田文科相の「身の丈」発言と近しいものがあるような。2023/11/23
西澤 隆
12
20年近く経って思う。法律家であり協約上は最高決定権者なのに弱腰でナベツネの手下と成り下がった根来コミッショナー、コンプライアンス不問の言いたいこと言いのオーナーのジジイども。運営サイドは誰もNPBを「持続可能で今後も発展する野球の最高峰リーグ」として尊重していない。ライブドアの参入を阻んだ当時の12球団のオーナー会社のいくつかは身売りも会社消滅も行っており当時の新規参入を阻んだ理由もむなしい。結果として巨人頼みのビジネスモデルは崩壊。楽天やDeNAの参入でダイナミックプライシングやボールパーク(1/N)2023/09/10
Eiki Natori
9
オリックスバファローズが3連覇し、阪神との日本シリーズでは、京セラドームを人気球団と遜色ないファンで埋めたが、20年前は絶望と幻滅の中、オリックスと近鉄が合併した。当時日ハムファンの私も合併反対に署名したし、外野席でパリーグ連盟歌「白いボールのファンタジー」を歌いまくった。 この本を読み、あの騒動を振り返ると、球団オーナーたちに最も欠けていたのは応援しているファンの存在だったのは間違いない。ファンがストを支持し、パリーグを残した。 「雇用」を目的として運動した選手たちもその存在に気付かされたのではないか。2023/11/11
Yuka
6
プロ野球の関連業務をするようになったけど、プロ野球のことは全然知らない‥調べてみたらこの本を発見したので読んでみました。 ストの是非は置いといて、こんな経緯があったのか‥と今更びっくり。 あとがきを見るに朝駆け・夜討ちで言質を取ったようで、オーナー陣もさぞ大変だっただろうとちょっと同情的にも思ってしまう。新聞社のまとめた本なのでオーナー陣の批判が多く、事の真相はよくわからない。 プロ野球界のことは引き続き勉強予定。歴史や構造がわかるものやスポーツビジネス関連で良書があれば教えてください😃2023/11/26