優生学の名のもとに―「人類改良」の悪夢の百年

優生学の名のもとに―「人類改良」の悪夢の百年

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  • サイズ B6判/ページ数 521,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022566461
  • NDC分類 498.2
  • Cコード C0045

内容説明

IQテストや家系調査によって「劣等者」「欠陥者」を決め、隔離や強制断種まで行った英米の苦い歴史…。遺伝子操作の時代に蘇ろうとする暗い影に警鐘を鳴らす。

目次

優生学の創始者―フランシス・ゴールトン
生物測定学の創始者―カール・ピアソン
偉大なる思想の信奉者―チャールズ・ダヴェンポート
優生思想の普及
優生運動の堕落と欠点
種の再生への道
さまざまな優生立法
高まる優生学への批判
偽りの生物学
ライオネル・ペンローズとコルチェスター調査
優生学の改革運動
素晴らしき新生物学
人類遺伝学の確立
イギリス学派の最盛期
血液・ビッグサイエンス・生化学
染色体―製本のミス
新しい優生学
人間の遺伝への干渉
神の抹殺
解説 日本における優生思想・優生運動の軌跡

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エピキュリアン

3
最初はナチスの優生学について知ろうと思って読みましたが、この本はナチスではなく、我々の住む日本やアメリカ等の国々しかも戦後の実話を元にナチスの後にも優生学は多くの犠牲者を出していたことを教えてくれる一冊です。ナチスを批判しながらも自分のすぐ隣の病院で精神障害者が断種手術を強制されているようなおかしな実態が実は存在していたのです。この本は、非常に専門的でフェニルケトン尿症などの遺伝学に関わる知識、またはチャールズ・ダーウィンをはじめとする進化論と優生学のかかわりについて詳しすぎるほどに教えてくれます。

ドント

1
とても大変な読書だったがそれに見合う内容だった。19世紀末から現れた「優生学」を、ナチスにはほぼ触れることなく英米の研究・思想・政治の流れで辿っていく、物理的にも内容も分厚い一冊。起伏は少なく淡々としてい、劇的なドラマはない。殺風景なごつごつした山を少しずつ登るように読まねばならず、しかも差別や偏見の寒い風が吹いているので、心身を削る気持ちで読んだ。最後も結局「人類の倫理」に終着し答えは出ない。しかし一番こたえたのは解説の「本邦における優生学」で、(旧)優生保護法の悲劇にまるで触れていないことであった。2023/11/17

よく読む

1
22:33 読了。優生学を崇拝していたが、この本を読み賛成とも反対とも言えなくなった。時代によって遺伝決定派、環境決定派に、優生派、反対派に揺れている。統計的手法から生化学に手法はシフト。英米では1930年代、1950年代、そして現在、優生学はピークを迎えている。ゴールトン、ピアソン、ダヴェンポート、フィッシャー、ホールデン、ハクスリー、ペンローズ、スタインバーク、マラー、E.O.ウィルソン。ジューク家、カリカック家、フェニルケトン尿症、鎌形赤血球症、バック対ベル訴訟、。「優れている」とは何なのか。2012/06/15

shigenori sugimoto

0
優生学は真面目に研究したいです。2013/08/20

最大255文字

0
英米19C〜1980年代まで(原書は1985年刊行)の、遺伝に関する学問的研究の歴史……メンデルから人類遺伝学、DNA組み換えまで……と、人間改良を目指す優生学、およびそこから派生した思潮の優生思想の興亡を見る。英米優生百年史。2021/03/15

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