内容説明
大久保利通の策略のまえに、江藤新平はあまりにも真正直すぎた―。血縁者の立場から、聞き書きをもとに、佐賀の乱の首謀者として処刑された大伯父新平のゆえなき汚名をすすぎ、開明的政治家としての実像を、明治維新史のなかに克明に刻みこんだ労作。
目次
佐賀の勤労学生(手明鑓;少年時代;弘道館へ入学;蘭学の研究と『図海策』;薩摩藩西郷、大久保の台頭;結婚と就職)
維新に出遅れた佐賀藩(中央の政局と各藩の動向〈寺田屋事件〉;親友中野の死;脱藩上洛;永蟄居;長州征伐;薩長の提携;大政奉還から王政復古へ)
新政府の朝臣として(鳥羽伏見の戦い;江戸開城;上野戦争;江戸府政;東京遷都;東京市政)
民権を守る政治家(佐賀藩政改革;版籍奉還;中弁;廃藩置県;文部省の設立と左院時代;岩倉使節団;江藤司法卿;山県の公金流用を摘発;民権擁護の戦い;参議就任)
明治6年政変(日韓問題;西郷遣韓の決定;明治6年政変;民選議院建白書と愛国公党)
天地知る(佐賀へ向かう;佐賀戦争;土佐路;天地知る;紀尾井町事件)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryuka
2
五章から最終の六章を読むまでにひと月以上開けてしまいましたが、面白く読めました。 近しい血縁者が書かれたこともあってか、今まで読んできた江藤さん関連本の中でいちばん好きです。江藤さんの誤まった見られ方を払拭してくれます。文章も読みやすく、内容も深くまで追求なさっているので、スッキリと見られました。知らなかったこともたくさん載っており、また知識が増えました。これによって気になる人も出てきました。 江藤新平に興味がある方なら、是非読んでほしい。そうでない方にも読んでいただき、通説をひっくり返してほしい。2014/06/16
健康平和研究所
0
明治政府の始まりを知らなかった。江藤新平を中心にとてもわかりやすく書いてあった。大久保利通が自分の損得で動く人と知った。その大久保に殺された江藤は生きていて欲しいと強く思う。西郷隆盛が朝鮮に会見しに行けばその後の日韓関係は大きく変わっていただろう。2012/05/27
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