出版社内容情報
「女の子は笑顔でいた方がいいよ」グロテスクだと思う。そう思ったのは、私。演じる私、テキストを読む私はいつだって暴力的で、つねに暴力にさらされている。人間関係に潜む力の不均衡に焦点を当ててきた著者の新たな到達点!
【目次】
内容説明
「女の子は笑顔でいた方がいいよ」グロテスクだと思う。そう思ったのは、私。読むこと/演じること。そこには加虐も被虐も潜んでいる―。作家生活10周年、新たな文体を手に入れた著者による圧巻の日記文学!
著者等紹介
大前粟生[オオマエアオ]
1992年、兵庫県生まれ。2016年「彼女をバスタブにいれて燃やす」が『GRANTA JAPAN with 早稲田文学』公募プロジェクト最優秀作に選出され小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
りん
5
日記なのか小説なのかわからなくなる。いつの間にかのめり込んでた。新鮮な感覚。坂口涼太郎さんの紹介で手に取った。何故かますます坂口涼太郎さんが好きになる。気になる。2026/04/27
yasuyuki suzuki
5
菜月ちゃんの舞台稽古の様子やなど日記形式で展開している斬新さそして母親との葛藤など実験的作品だと思います。あなたもぜひ読んで斬新さを味わってください。2026/01/14
にしざわ
3
日記の書き手としての「私」と読み手としての「私」が交差しながら、日記を書く、という身体を演じているような日記体の小説で、しかも書き手の「私」は俳優として別の誰かを演じている生活を送っている、そういう入れ子構造において、演じるとはなにか、日記とはなにか、小説とはなにか、ということを重層的に問うような小説にもなっていてすごくおもしろい。2026/02/27
だくだく
2
舞台女優さんが役づくりにアプローチしていくさまを日記形式で読ませる作品。その役が独特で、幼い頃から母親や学校の先生に「女の子はいつも笑顔でいたほうがいい」と刷り込まれ、大人になって自我を取り戻す、菜月ちゃん。菜月ちゃんの想いに寄り添いながら、悩み続ける主人公。いろんな意味でヒリヒリする読書でした。もう一篇の、自宅マンションの改修工事の騒音に悩まされる舞台女優の親友の小説家の女性の日記もなんとも考えさせられるような内容で。日記形式の構成・構造が有機的に働いていて、なかなかに面白い作品でした。2026/06/05
みずたま
2
「女の子は笑顔でいた方がいいよ」と言葉をかけられた菜月ちゃん、彼女を演じることになった主人公の記録。菜月ちゃんは先生からのひと言で、笑顔の女の子を演じ続けてしまう。まるで呪いの言葉だと思った。私たちも無意識のうちに与えられた役割を演じながら生活している。それが自分を消してしまったとき、核のようなものが壊れて表面が暴走してしまう。周りで起こることを自分事として捉える優しさと、危険は隣り合わせなのだと思う。2026/03/12




