出版社内容情報
軍神と崇められる楠木正成を父に持つ正行は、戦なき世を求めて、北朝に降る決意を固める。それは、楠木家こそ挽回の鍵だと頼みにしている南朝を滅亡に向かわせることに他ならないのだが……。朝日新聞の大人気連載、待望の単行本化!
内容説明
誰かのために散ってよい命などない。終わりなき南北朝の戦い。その命運を握る楠木正行の「願い」は叶うのか―。朝日新聞連載の歴史巨編、待望の単行本化!
著者等紹介
今村翔吾[イマムラショウゴ]
1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。18年同作で第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞。同年「童神」で第10回角川春樹小説賞を受賞(刊行時『童の神』と改題)。20年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞、『じんかん』で第11回山田風太郎賞、21年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第6回吉川英治文庫賞、22年『塞王の楯』で第166回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
514
南北朝の結末を知っているだけに、なんとなく『茜唄』のような展開かなと予想。主人公正行の人物像が平知盛よりももう少しだけ陽性なものとなっており、周囲の仲間も多く、想像よりもきちんと違いが出せている。確実に面白いだろうという予感は、確信に近いレベルであるものの、上巻読む限りはもう少しコンパクトにできたよね?という箇所も目につく。連載形式でやると仕方ない部分もあるかもしれないが、逆にこれで残りは下巻400頁しかないなら、尺が足りなくないかと不安。個々の戦はあまり深掘りされないか?このまますぐに下巻へ。2025/05/10
旅するランナー
187
楠木正成の息子、多聞丸(楠正行)の物語。軍神と崇められる父正成の真実を語る前半。正行の決断に向かって楠木家として準備を進める後半。味方も敵方もキャラがたっていて、物語にグイグイ引き込まれます。それぞれの思いが交差していくであろう下巻が楽しみ。2025/05/17
starbro
185
今村 翔吾は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。楠木正成は、知っていますが、その長男正行の物語は初読です。ハードボイルトな感じの歴史小説、上巻は一気読み、続いて下巻へ。トータルの感想は、下巻読了後に。 https://book.asahi.com/article/157387872025/05/07
パトラッシュ
149
英傑の息子とは何と重い宿命か。楠木正成の後を継いでほしいと周囲は期待するが、長男の正行は父は無駄死にではとの疑いが拭えない。忠義や名誉のためと称して命を使い捨てる政治に対し、尽くすだけでよいと割り切れないのだ。一方で足利方の敵将高師直は戦争を酒や女と同じに楽しみ、悩みを知らぬ分だけ無類の強さを誇る。南北朝の和解を模索する正行だが、師直の策謀から南朝方の女官弁尚侍と出会い運命が変わっていく。後村上帝暗殺の危機を救ってほしいとの弁内侍の求めに、長い雌伏から起つ正行は正義を求める若き知識人の輝きを放つ。(続く)2025/05/03
いつでも母さん
139
どうした、私。苦戦してるなぁ上巻に。いつもならグイグイ物語にのめり込んで行くはずなのに・・ 朝日新聞に連載された今村さんの歴史長編。装画が好い。多聞丸(=楠木正成の嫡男・正行)と、彼を支える者たちの熱にどれだけ私も熱くなるかーこのまま下巻へ。2025/04/23
-
- 和書
- 電験二種数学の徹底攻略