出版社内容情報
急死した伯父の部屋には人懐っこい隣人たちと「幽霊」が付いてきた! 長い内廊下でつながるアパートメゾン・ド・ミルでは、「ふつう」を外れた人が寄り添い生きる。文芸界最注目の著者・王谷晶が描く現代版長屋噺!
内容説明
「その…見たこと、あるの?おじさんが言ってた、幽霊ってやつ」春夫おじさんが営んでいた「他人屋」を求めて、隣人たちが次々と訪ねてくる404号室。部屋を勝手に出入りする“幽霊”の正体を追ううちに、ずっと一人きりだった大夢にほのかな繋がりができはじめる―。「ふつう」をほぐしながら、生きていく寂しさを包み込むあたたかな物語。
著者等紹介
王谷晶[オウタニアキラ]
1981年東京都生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
118
突然死した伯父のアパートに住むことになった大夢。そこには・・。よい小説です。TVドラマになりそうな2025/07/13
おしゃべりメガネ
104
タイトルが意味深で、手にとってしまいました。『ババヤガ~』とはまたちょっとテイストの違う作者さんの作品です。タイトルの'ゆうれい'からして、ちょっとホラーかなと思いましたが、ホラーとまではいかなそうな不思議な雰囲気でした。とある流れから、亡くなった伯父が住んでいたマンションに住むコトになった大夢(ひろむ)は、何かしらそこで不思議な現象に出くわしてしまいます。亡くなった伯父は意味深な『他人屋』という便利屋稼業を営んでいたらしく、大夢も巻き込まれてしまいます。そして遂に'ゆうれい'の正体、謎があきらかに。2025/08/06
タイ子
92
王谷さん2作目。先に読んだ「ババヤガの夜」とは違ってゆうれいの存在がもたらす他人同士のつながりの物語。シェアハウスで窮屈に暮らしながらコールセンターで働く大夢(ひろむ)。そこに殆ど関わりのなかった叔父さんが急死。マンションの後片付けをするようにと親からの依頼。「他人屋」という看板を掲げた部屋の中にいたのはゆうれい。しかも足があり、大夢の食べ物を勝手に拝借、会話は筆談。調べると叔父さんの部屋は昔惨劇の現場だった。物語は全く怖くない、むしろ寂しい人間たちが寄り添って生きて行く癒しの物語かも知れない。2025/07/26
ひさか
82
しんぶん赤旗2023年11月26日〜2024年4月30日連載のものに加筆修正して2025年1月朝日新聞出版刊。小さい夢、メゾン・ド・ミル、404号室、幽霊の手紙、謎と生活、見えないもの、他人屋と幽霊、エピローグ、の8つの章で構成されたお話。これいったい何の話だろう?。で進むどーなる感いっぱいの展開は新聞小説にふさわしい。王谷さんだから何をどう語るのか楽しみに読んだ。で、最後までぐいぐいと引っ張られて、行き着いた謎の先まできっちり書いてあるのは好ましい。なーんだ感あるも、上手い落としどころだと思う。2025/07/05
いたろう
74
殆ど会ったことがない伯父が、急に亡くなったため、部屋の片付けを命じられた大夢(ひろむ)は、片付けるより楽ということで、伯父の住んでいた賃貸マンションに居抜きで住むことに。伯父が、そこで営んでいたのが他人屋という名の便利屋。何故、他人屋? 特に明確な説明は書かれていないが、遠くの親戚より近くの他人というような意味合いなのだろうか。そして、そのマンションには幽霊が出る? この「幽霊」は何者なのか? 人嫌いの大夢が、好むと好まざるにかかわらず、マンションの住人や幽霊と関わるうちに、ちょっと変わっていくのがいい。2025/08/05
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- 週刊エコノミスト2015年12/29・…




