その朝は、あっさりと

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その朝は、あっさりと

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  • サイズ 46判/ページ数 196p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022519962
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

長寿社会という「最先端」の時代を生きる私たちに、道しるべとなる「老衰介護看取り小説」の誕生!老い、病、死にちかづくこと。じつはたっぷりした意味がある!中島京子さん推薦!老いとの闘い。死支度。「死下手」の一茶の俳句が、認知症のお父さんを支える。家族のじたばた、いらだち、せつなさも、どこか飄々とした俳諧のようだ。*元中学教師の恭輔は80代後半には認知症になり、骨折をきっかけに4年前からは在宅介護を受ける身の上だ。通称「かんたき」看護小規模多機能型居宅介護の看護師、介護士が自宅でのサポートをしているが、妻にとっては老老介護、かかわる子どもたちも還暦前後でらくではない。オムツとトイレの大惨事、認知症の薬などを試みるが、次第に出来なくなってくることが増えていく。万一の場合には救急車をどうする?96歳で息をひきとるまでの20日間、家族や介護者はどのように備えるのか。誰にとってもひとしく迎える最期はどのようなものなのか。死ぬときはどうなるのか。そしてその日は信じられないほど「あっさりと」やってきたのだ。*老いや死も庶民の視線で、見捨てない温かさに満ちた、一茶の句が老境の恭輔を、そして周囲の人々を励まし続ける。自分ごととして必ず来る老い、病、死をやわらかく問いかける、先を照らす小説。目次から 一 三度目の危篤 二 トイレ地獄 三 先生と呼ばれて 四 みんな先に死んでいく 五 何もできない 六 ついのすみか 七 思い出の中の人  八 この世とのつながり 九 死ぬのにもってこいの日 一〇 その朝は、あっさりと

内容説明

九十六歳の父を看取るまでの二十日間、家族と介護士、看護師はどうかかわるか。誰もが迎える最期には何が必要?一茶の句が持つ庶民のリズムと見捨てない温かさに包まれた「老衰介護看取り小説」

著者等紹介

谷川直子[タニガワナオコ]
1960年、神戸市生まれ。2012年『おしかくさま』で第四九回文藝賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

141
「老衰介護看取り小説」とある。96歳の父を看取るまでの二十日間を描く家族の物語。この父親は幸せだっただろう。なかなか家での看取りは難しいよ。母親は完璧に家を家族を仕切って来たのだろう。仲の良い家族だと思う。それでもだ、紛れもなくその母も高齢者なのだ。頼りになる娘二人、息子は金銭的に援助していて母親はこれまた幸せだろう。親身になってくれる近所の施設や看護師長等々、羨ましいさが一杯で正直ちょっと僻みたくもなる私がいた。最後の最期まで上手く行きすぎなのだ。いつか来るその朝を思ってしまう読後だった。はぁ。 2024/10/28

pohcho

58
96歳、認知症の父親が家で亡くなるまでの二十日間。専業主婦の妻と独身の長女。遠くに嫁いだ次女も頻繁に帰ってきてくれる(しかも、義父の介護経験があるからすごい戦力)末っ子長男は何もしないけどお金は出してくれて、家族協力しての在宅介護の日々。面倒みてもらうのを当然のように思う父と割り切れない思いを抱える娘。トイレの話などはかなり悲惨だったけど、つらいだけではなくユーモアがあってよかった。小林一茶の句が優しくて和む。住み慣れた家で家族に看取られて。今時こんな幸せな最期はなかなかないんじゃないかと思う。2024/09/04

sayuri

40
96歳の父を看取るまでの20日間を描いた物語。誤解を恐れずに言うと、読後真っ先に感じたのは羨ましさ。認知症患者を支える大変さも、気が休まらない在宅介護も、それはそれは大変そう。けれど85歳の母をサポートする姉妹、金銭面で協力する長男。家族のみならず優秀な看護師と介護士までが手厚くサポートしてくれる。老老介護が社会問題となっている今、これだけの助け手がある事がまず幸運だと思う。深刻な状況下だが女性陣の能天気な会話が笑いを誘う。家族全員に見守られながら逝った父親も看取った家族も幸せな時間だっただろうと思えた。2024/08/31

信兵衛

21
介護ストーリーの所々で、小林一茶の句が引用され、一茶の老後も語られますが、それが息抜きともなり、家族の和気藹々とした雰囲気を醸し出していることに、ホッとさせられます。 私たちの今後を予想させる内容であり、その点がお勧めです。2024/09/07

のり

18
タイトル通り、ラストは幸せな死に方だったな、お父さん。自宅で家族を看取ることの幸せと大変さを、小林一茶の俳句に重ねて、ユーモラスに書いた佳作。時々エピソードに挟まれる一茶の俳句が、いちいちピッタリハマって、涙を誘う。死に支度、練習をしっかりして、絶妙なタイミングで逝った先生、送り出すために頑張った家族もあっぱれ。笑いあり、涙あり、の素敵な家族小説だった。2024/10/14

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