世界文学をケアで読み解く

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  • サイズ 46判/ページ数 240p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022519290
  • NDC分類 904
  • Cコード C0095

出版社内容情報

現代人が失いつつある〈ケアの倫理〉は、世界の文学に読みとれる。『ケアの倫理とエンパワメント』で政治、社会、医療、介護の分野からも注目される英米文学者の〈ケアの倫理〉にかんする画期的な問いかけ。自立を迫る新自由主義的風潮のもと、ケア思想をたどり、韓国、欧米、日本などの文学作品とつなげて読み込む。マン・ブッカー国際賞受賞作家の韓国のハン・ガンが描く『菜食主義者』、光州事件をあつかった『少年が来る』。欲望や怒り、憎悪などの暴力に振り回されながらも、どのようにその世界から抜け出せるのか。ブッカー賞受賞作家、カナダのアトウッドがSF的想像力で生み出した『侍女の物語』と『誓願』でのサバイバルとは? このディストピア小説の舞台である「ギレアデ」共和国は不可視の世界で、キリスト教原理主義と家父長制が支配する。そして一人の女性の苦悩が女性たちの連帯(シスターフッド)と結ばれ、「他者」の言葉の力、生存する力がしめされる。差別により死にいたらしめられる者とその過酷さを知らぬ者、老いを経験する者と年若い者、病に臥す者と健康な体を持つ者、はたしてこのような差異を乗り越えて他者の傷つきや死を、私たちは凝視できるだろうか。死者へのケアをテーマにした、トニ・モリソン『ビラヴド』、平野啓一郎『ある男』、石牟礼道子『苦海浄土』、ドリス・レッシング『よき隣人の日記』をもとに、他者への想像力を働かせることがどのようにケア実践につながるのかを考える。冷たい墓碑や硬い土に埋葬されている死者。かつては生命力に満ちていた身体と内面世界が、作品のなかで豊かな言葉によって回復されている。〇目次今こそ〈ケアの倫理〉について考える――序論にかえて 第一章 現代人が失いつつあるものとしての〈ケア〉 第二章 弱者の視点から見る――暴力と共生の物語 第三章 SF的想像力が生み出すサバイバルの物語 第四章「有害な男らしさ(トキシック・マスキュリニティ)」に抗する文学を読む 第五章 死者(ビラヴド)の魂に思いを馳せる――想像力のいつくしみ 口をつぐむこと、弱くあることについて――あとがきにかえて

内容説明

現代人が失いつつある“ケアの倫理”は世界の文学にあふれている。『ケアの倫理とエンパワメント』で注目される英文学者が、弱者と暴力と共生、SF的想像力、新しい男性性、死者の魂を手がかりに、ケアの思想的な源をさぐり、世界の文学を読み直す画期的な5つの問いかけ。

目次

今こそ“ケアの倫理”について考える―序論にかえて
第1章 現代人が失いつつあるものとしての“ケア”―思想史
第2章 弱者の視点から見る―暴力と共生の物語
第3章 SF的想像力が生み出すサバイバルの物語
第4章 “有害な男らしさ”に抗する文学を読む
第5章 死者の魂に思いを馳せる―想像力のいつくしみ
口をつぐむこと、弱くあることについて―あとがきにかえて

著者等紹介

小川公代[オガワキミヨ]
1972年和歌山県生まれ。上智大学外国語学部教授。ケンブリッジ大学政治社会学部卒業。グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D)。専門は、ロマン主義文学、および医学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フム

40
『ケアの倫理とエンパワメント』がとても良かったので、新刊の情報を知って迷わず予約購入した。雑誌連載に加筆したものということで、前に読んだ本と重なるところも多かった。キャロルギリガンが『もう一つの声で』で提唱したケアの倫理は近代西洋哲学の価値観、自立する「正義の倫理」の対抗原理として打ち立てられた。弱さは強みにもなると書いたギリガンのケアの倫理に救われる人は多いと私も思った。様々な文学作品をケアを切り口に読み解く筆者の仕事にはこれからも注目したい。 2023/08/30

呼戯人

20
ケアの視点から世界文学、特に英米文学と日本文学を読み解く試み。男性性、家父長制、資本主義などによって見えなくされている、若者、子どもたち、病者、老人、障がい者たちに対するケアのあり方をとりわけヴァージニア・ウルフやトニ・モリスンなどを通じて、ケアの倫理を説いて行く。日本文学では、石牟礼道子の「苦界浄土」を説明して行く部分が感動的であった。著者も若い頃、セクハラの被害にあったことを告白しており、そうした弱者の視点からケアの倫理を獲得してきたことが語られる。良書。2024/03/16

rinakko

11
文学作品を通して〈ケアの倫理〉について知ることが出来る。物語からのアプローチという方法が、取っ掛かりとしてとても読みやすい。家父長制における女性の役割を指す「家庭の天使」と〈ケアの倫理〉を、どう引き離して考えたらいいのか…という問題は特に気になった。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『シブヤで目覚めて』『菜食主義者』『ソラリス』『侍女の物語』『誓願』『犬婿入り』など、そんな風にも読めるか…と驚いたり。エミリー・ブロンテが最期の日まで家族のためのパンを焼こうとした(かも知れない)ことを思い続けてしまう。2024/06/11

kankoto

10
「ケアの倫理」を通して様々な文学作品が紹介されている。一番感じ行ったのは第五章の 死者の魂に思いを馳せる - 想像力のいつくしみ で、最近よく考える、文学というものが存在する意義、文学を読む事の意味 と言う思いに答えの一つを示された様な気がした。  様々な立場の人たちに想いを寄せる行為というのは文学に出来る尊い事の一つだと思う。読んだ事のある作品、観たことのある映画など全く気が付かなかった部分を改めて気づかせて貰ったと同時に紹介されている様々な作品をこの視点で読んでみたいとも思った。2023/08/30

Olive

9
ケアから文学を読むところに新たな視点がある。トニ・モリソンや『ドライブ・マイ・カー』をその視点で?うろたえたのだ、私は。ケアにはジェンダーの視点が欠かせないが、なんとなく感じる違和感は、家父長制という制度と、弱者に対するケアの視点を、無理矢理結びつけている違和感なのだと気づく。帯には「世界文学にはケアの倫理があふれている」とあるが、家父長制度、癒し、ケア、弱者を挙げたら、文学作品のどれもがあてはまるのではないか。私の理解と創造力が乏しいせいだろう。終始腑に落ちない感で読了。2024/05/10

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