袴田事件を裁いた男―無罪を確信しながら死刑判決文を書いた元エリート裁判官・熊本典道の転落

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袴田事件を裁いた男―無罪を確信しながら死刑判決文を書いた元エリート裁判官・熊本典道の転落

  • 尾形 誠規【著】
  • 価格 ¥2,156(本体¥1,960)
  • 朝日新聞出版(2023/08発売)
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  • サイズ 46判/ページ数 352p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022519283
  • NDC分類 326.23
  • Cコード C0095

出版社内容情報

こんなデタラメな証拠で人を有罪にするのは、それも死刑にするなんて無茶だ。当時30歳だった裁判官の熊本は異議を唱えるが、2人の先輩裁判官に押し切られ、最終的には多数決で負けて、心にもない「死刑判決文」を書くことになる。

熊本は懊悩し、裁判官を辞めて酒におぼれ、家族を崩壊させ、自殺未遂をし、やがて行方不明となってしまう。ところが事件から40年が経った頃、突然マスコミの前に現れて「あの裁判は間違っていた」と語りだす。その姿をテレビや新聞は大きく取り上げ、海外のメディアからも勇気ある発言、良心的な判事だと、その行動を賞賛する報道が相次いだ。

しかし取材を重ねていくと、「良心ある告白をした美談の男」とは別の、もう一つの顔があることが、だんだんと分かってくる。そして熊本自身も「この話を決して美談にしてはいけない」と著者に念を押すようになる……。熊本の本心は何なのか。償いなのか、それとも売名行為なのか? 

完全版では、2014年3月27日、静岡地裁が再審決定をして、袴田さんが東京拘置所から釈放された以降の出来事を取材する。熊本がついに袴田巌さんと面会できたときのこと、2020年に福岡県の病院で亡くなった熊本のこと、2023年、東京高裁の再審開始決定のことなどについて、熊本の親族、弁護団、支援の会の人々、袴田さんや姉の秀子さんに再取材して、熊本典道の人生について再び考える。

「解説」は、江川紹子氏。「特別付録」では、佐藤優氏のコラム、朝日新聞取材班の記事、静岡地裁の元裁判官で2014年に再審を決定し袴田さんの拘置を停止した村山浩明氏や東京高裁の元裁判官・木谷明氏の講演録を転載する。これらを読めば、袴田事件は、私たちに何を問いかけているのかが分かる。

※「完全版」は、2014年3月、静岡地裁が第二次再審請求で再審決定した後、検察が即時抗告した後の出来事を取材し、巻頭の口絵のほか、新章として「完全版まえがき」「Ⅹ さらに九年後」を付け加えました。江川紹子氏の解説は「完全版のための追補」を加筆、巻末には「特別付録」として、佐藤優氏のコラム、朝日新聞の記事、村山浩昭元静岡地方裁判所判事と木谷明元東京高裁判事の講演録を転載しました。

内容説明

裁判官を辞め、酒におぼれ、家族崩壊、自殺未遂、失踪。そしてマスコミの前に現れて―。元裁判官による、もうひとつの“生きる”。

目次

1 接触
2 疑惑
3 悲劇
4 背信
5 天使
6 子供
7 旧友
8 再生
9 四年後
10 さらに九年後

著者等紹介

尾形誠規[オガタセイキ]
1959年兵庫県生まれ。法政大学卒業後、様々な雑誌の編集部を経て98年、仲間数名と鉄人社を設立する。同年、月刊誌「裏モノJAPAN」を創刊、十年間にわたり編集長を務める。その間、ライターの北尾トロ氏に裁判傍聴を勧め、傍聴ルポの連載も担当。『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』として書籍化して話題を呼ぶ。現在、鉄人社代表取締役を務めながら、書籍の編集も手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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fwhd8325

58
袴田事件をはじめとして、たくさんの〈冤罪〉と言われている事件があります。何故、冤罪が起きるのでしょうか。出自や思想によって、犯人であるシナリオが作られているのでしょうか。人の人生、命をこんな扱いをして許されるとは思いません。この著書は袴田事件を軸に、当時裁判官のひとりだった熊本判事の人生を辿っています。彼もまた犠牲者のひとりなのでしょう。とっても苦しく、重い読書になりました。2024/01/03

nonpono

53
エリート裁判官から袴田事件の死刑判決を書いた自分に囚われ酒の海に溺れていく熊本元裁判官。そして袴田さんは無罪だという有名な告白が。著者に熊本さんが「美談にしないで」という言葉がじわじわと侵食する。だけど、長い人生が美談で終わるわけがない。だんだん崩れる熊本さんの話。だけどずっと面倒を見た内妻の島内さんや「晩節を汚さないでほしい」とかばい酒を教えた自分が悪いと言う、ワダキューという本当の友達の話を読むとわたしは逆に熊本さんの持つ、何かほっとけない魅力を感じていた。そして死に場所を探し続けた男の最期が泣けた。2025/04/21

香菜子(かなこ・Kanako)

28
袴田事件を裁いた男――無罪を確信しながら死刑判決文を書いた元エリート裁判官・熊本典道の転落。尾形 誠規先生の著書。無罪を確信しながら死刑判決文を書いた裁判官だなんて許されない。無実の人をみすみす死刑にするなんて殺人とどう違うの?と思ってしまう。熊本典道元裁判官は良心の呵責と反省心で正直に話したけれど間違えた判決をしても良心の呵責も感じずにのうのうと良い生活をしている裁判官や元裁判官がいるとすれば最低最悪劣悪人間。厳しく糾弾されて批判されて処分されないと冤罪で苦しんだ人が報われません。2023/12/28

gtn

21
無罪を確信しながら死刑判決文を書き、苦しみ抜いた元裁判官。その間、非のない男が脳裏から離れず、酒に逃げ、家庭崩壊し、心身ともにボロボロになった末、真実を公表したことは評価する。だが、逃げ場もなく、いつ処刑されるかもしれない状況下に57年間も晒され、妄想以外に現実から逃れることができなかった袴田巌さんの苦しみに及ぶ訳がない。2023/11/29

遊々亭おさる

19
1966年、静岡県のみそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件は元ボクサーである同社社員の犯行として起訴され裁判が始まる。一審の主任裁判官であった熊本典道は被告を無罪と確信するが、合議による多数決に敗れ死刑判決を下す。袴田事件に関わったエリート裁判官の転落の人生と優秀であるはずの法曹関係者が冤罪を生み出すメカニズムの解説。罪悪感に押し潰されても見栄とプライドを捨てきれない人間臭さは彼をヒーローに祭り上げていない分その心情が理解出来る。完璧な人間などいない。予断はエリートさえも盲目にする。色眼鏡は捨てよう。2023/11/30

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