出版社内容情報
没後30年に『長谷川町子思い出記念館』の新装版を刊行します。あらたに掲載時のオリジナルイラストを初収録。家族のこと、漫画のこと、愛するペットのこと、昭和の時代に女性が働くことについて。また、師匠・田河水泡などの対談も含め、盛りだくさんのエッセイ集。
内容説明
長谷川町子没後30年。15歳でデビューし、国民的漫画家となった長谷川町子。人前に出ることが苦手だった町子が遺した貴重なエッセイやインタビュー、対談をまとめて一冊に。その生涯が鮮やかに浮かび上がる。長谷川町子が各紙誌に描いたカットを単行本初収録!
目次
私のひとり言―昭和24年から51年までの39本のエッセイ(サザエさん;女ばかりの力で出来た“サザエさん”一家;私の中学生のころ ほか)
おしゃべりサザエさん―昭和24年から47年にかけて、7人の方々との対談(天使とサザエさん(横山泰三)
サザエさん一家のこと(浦松佐美太郎)
笑いの泉、大いに湧く(秋好馨・横山泰三) ほか)
インタビュー サザエさんと私―昭和37年から53年まで、各誌記者のインタビューに町子さんが答える(漫画賞をとった長谷川町子さんの独身生活;長谷川町子の漫画二十年;再起の町子さん、飯沢匡と語る ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
33
表舞台に出てこない漫画家、と言うイメージが長谷川町子には付きまとう。とはいえ本書を読むと、エッセイにインタビュー、あるいは対談といった雑誌や新聞の企画には(それが積極的ではないにしろ)応えていたようだ。『サザエさん』誕生秘話のようなものもあれば、漫画家の孤独を吐露したり、社会批評めいた内容もエッセイにはある。そこには自分自身を俯瞰して眺める視座を感じるのだ。また対談などにおいても、彼女の生真面目な人柄がどうしても伝わってくる。(つづく)2024/12/18
gtn
28
毬子、町子、洋子の三姉妹と思い込んでいたが、著者の上に美恵子という姉がいたらしい。その姉が早世。著者いわく、父はそれ以来「ただ、元気でいてくれさえすればよいという消極的な願いに傾いた」らしく、学校の成績を含め三姉妹に一切小言を言わなかったという。その父の思いに大いに共感。ただただ、元気で楽しい人生を送ってほしい。それが達成できれば、自分の勝利。2023/04/29
いづむ
16
おなじみ『サザエさん』の作者、長谷川町子さんの寄稿コメントや対談を収録した一冊。戦前から活躍し戦後様々な漫画表現が登場するのを横目に、娯楽性のみを求めて老若男女が楽しめる生活や家族を描きつづけた作者の生真面目な素顔が伝わります。新聞の4コマ漫画は毎日読み切り短編小説を発表するようなものだという指摘には納得すると同時に長年の功績に改めて感嘆しました。読者から的外れなクレームが届いたり自宅に来られたり、おかしな人は昭和にもいて(当たり前か)溜息が出ます。全体として時代の雰囲気が強く感じられる貴重な一冊でした。2023/01/25
hitotak
13
長谷川町子氏の取材記事、雑文、対談をまとめた一冊。殆どが20~30年代の頃のもので、自らの生い立ちや漫画家になるまでの過程など、『サザエさんうちあけ話』と重なるエピソードも多い。その文章からは本人の真面目さや育ちの良さが伝わり、随所に入る挿絵カットも併せて古き良き昭和の時代を感じる懐かしさがある。昭和40年代に文藝春秋漫画賞の審査員をしていた際の選評も掲載され、東海林さだお氏を高く評価している。細かい箇所を入念に書き込む作風が東海林氏との共通点だと、加藤芳郎氏に指摘されているのにはなるほどな、と納得した。2023/02/07
maghrib
7
長谷川町子記念館で購入。サザエさんうちあけ話と重複する部分が多いが、長谷川家がクリスチャンになったきっかけ等詳しく書かれている。師匠の田河水泡との対談がよかった。田河は長谷川に忠告や説教するでもなく、関係あるような無いような話(江戸時代に磯和歌女(いそのわかめ)という女流ユーモア作家がいた)や自分の漫画観を語っているうちに長谷川へ漫画とは何かを伝えている。二人とも日本の滑稽というものを受け継ごうとしているようにみえる。2025/10/13
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