出版社内容情報
2021年11月に惜しまれながらこの世を去った人間国宝・歌舞伎俳優、中村吉右衛門。コロナ禍中の未公開ロングインタビューも含めた最晩年を中心に、比類なき功績と演劇評論家の著者のみが知る魅力的な素顔も織り交ぜた渾身の書き下ろし。巻頭に秘蔵写真、巻末に「中村吉右衛門 年譜」完全版収録。【第一章】最後の舞台【第二章】当たり役を語る【第三章】天命としての秀山祭【第四章】その生涯【第五章】名優の心
内容説明
宿命の実録。生き続ける命ここにあり。未公開ロングインタビューを含む渾身の書き下ろし。
目次
第1章 最後の舞台(「絶景かな、絶景かな」;辛さのなか「未来で」 ほか)
第2章 当たり役を語る(「平家女護島 俊寛」;「一谷嫩軍記 熊谷陣屋」 ほか)
第3章 天命としての秀山祭(「秀山祭」誕生;「秀山十種」を次々と ほか)
第4章 その生涯(宿命の赤ん坊;初代中村萬之助 ほか)
第5章 名優の心(本を読んでも映画を見ても;心がどこにあるのか ほか)
著者等紹介
小玉祥子[コダマショウコ]
1960年東京都生まれ。青山学院大学経済学部卒。毎日新聞社東京学芸部専門編集委員。85年に毎日新聞社に入社し、96年より学芸部で演劇を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
85
竹本葵太夫さんからの吉右衛門さん談が多く載っているのが嬉しい。歌舞伎座にある程度通っている人でなければ到底ついていけない登場人物の多さや、身内からの吉右衛門さんとのやり取りの言葉などからは、2代目の吉右衛門を知らずに表紙だけで手に取ったら、よく分からぬままに読み終えてしまうのではないかとも思う。あとがきを読んで、そういう経緯で書き始めたのかと知り納得した。まあ、家族の語るご本人というのも貴重ではあるが、偏りがあり、それが残念2024/07/18
Megumi Hirayama
1
すごく分かりやすく読みやすい文章で、中村吉右衛門の生涯や芸とその向き合いかたを語っている。妻、娘婿、孫、弟子達からの聞書きもあり、長年に渡る丁寧な取材が効いている。返却期限に終われて慌てて読み終えてしまい、もったいないことをした。今度ゆっくり堪能したい。2023/05/04
変竹林
0
惜しい俳優をなくしたこととつくづく思う。三代目が継げる役者はもう出てこないだろうな。2023/05/15
夢仙人
0
歌舞伎を見る時の参考書としても使える。2023/04/10