出版社内容情報
舞台は兵庫県西宮市の喫茶店。常連客のぼやき・つぶやきを詩人マスターがそっと耳を澄まし、聞き書きした。戦中から令和の市井の人々が語る全編関西弁泣き笑いのペーソスあふれるエピソード。旧本は故・田辺聖子さんが絶賛。今作に共感したドリアン助川さんが帯文寄稿。
内容説明
これから繰り広げられる物語の数々は下町の喫茶店に集う客たちによって語られたものである。喫茶店のカウンター席では、人はだれもが油断する。だれにでも話せない秘密、家族にさえも打ち明けていないことも、ついポロリと喋ってしまう。本音が零れ落ちるのである。
目次
1 戦前から戦中
2 そして戦後
3 戦争の匂いまだ残るころ
4 高度成長から消費時代へ
5 昭和から平成へ
6 塀のうちそと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
12
いいお話なのだけど。会話そのままなのでほとんどオール関西弁なのですが、話し言葉を読むのはしんどいということに気づきました。かつて有村浩さんの「阪急電車」のレビューで、関西弁が一切ないことに違和感があるって書きましたが、全くないのも引っかかるけど、全編それってのもしんどいのですね。セリフの鍵カッコの中でだけ、ぐらいが程よい使用量なのかもしれません(個人の感想です2020/09/20
チェアー
7
これは良書。普通の人が喫茶店でなんともなしに語る話。それこそが歴史だ。戦争中の話は、いま記録しておかないともう聞けなくなってしまう。つらく悲しい話が多いが、生きるためにはそれを笑いに変えるくらいのエネルギーがなければだめなんだと認識する。コーヒーカップの耳に徹した著者がまた素晴らしい。喫茶店行きたい。2020/06/17
だいきち
1
聞き書き。いい話しばかりだった。たった一ページなのにその方おひとりおひとりが見えてくる、人間が描かれていた。素晴らしい。2020/09/02
Cham
1
喫茶店を訪れた常連客のよもやま話。味わい深い話の数々。2020/04/05
ねむい
0
喫茶店のマスターがカウンターで聞く個性溢れる人々の話。1ページに詰まる人生の切れ端が味わい深いとため息をつく。 時代を生きた人々の戦時中の話が何気なく語られ、食べ物の話が多く、印象深い。2021/07/16
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- 和書
- すごいぞ!!きょうりゅう