筧千佐子 60回の告白―ルポ・連続青酸不審死事件

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筧千佐子 60回の告白―ルポ・連続青酸不審死事件

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022515520
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

遺産目当てに4人の男性を青酸化合物で殺害した死刑囚・筧千佐子とは何者か──。54回の面会を重ねた記者が、その実像に迫る。

内容説明

普通の明るいおばちゃんは、どうして「凶悪犯」になったのか。10人以上が死亡、相続額は10億円―誰よりも長時間、対話した記者が見た「後妻業」の女の素顔とは。

目次

第1章 開廷
第2章 手口
第3章 魅了
第4章 接触
第5章 混乱
第6章 妄語
第7章 求刑
第8章 告白
第9章 判決
第10章 悪人

著者等紹介

安倍龍太郎[アベリュウタロウ]
朝日新聞記者。1982年、大分県生まれ。明治大学政経学部卒業、北海道大学大学院国際広報メディア研究科修士課程修了。朝日新聞長崎総局、熊本総局を経て政治部で旧民主党、自民党、外務省などを担当。2017年から京都総局員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

14
著者は彼女のことを「普通の明るいおばちゃん」と呼ぶ。彼女は罪が実感できない。ナイフで刺したわけでもなく、カプセルを飲ませたらあっけなく死んだだけのこと。大金を得たといっても、借金の返済で右から左に消えてしまう。この刹那的な殺人を繰り返した素因として、初婚の夫の親戚に対する恨みがある。今でも「差別された」と繰り返す彼女。五十年前に負った傷は癒されることなく、化膿し、人間性を狂わせる。2019/10/19

フクミミ

11
後妻業という言葉を一般に認知させた感のあるこの事件。 筧千佐子と60回の面談を行ったジャーナリストのルポである。本を読む限り、あっけらかんとした明るいおしゃべりなおばちゃんであるが、彼女の周りでは10人以上の男性が亡くなっているのだ。毒殺という手段のせいか彼女にあまり罪の意識はなく、まるで他人事のように語られている。木嶋佳苗にしても、この筧千佐子にしても逮捕されていなければ、まだ犠牲者が出ただろうと思われる。それにしも独り身の老齢男性の無防備な事ときたら・・・後妻業のプロに手にかかればイチコロなのか。2018/09/20

田中峰和

5
黒川博行著の「後妻業」発行と同時期の事件なので、販促に貢献しただろう。この事件をモデルにしたわけでもないのに、そっくりな内容。黒川氏によると知人の話がネタだが同様の事件はそこら中にあるとのこと。認知症で証言能力がないとの理由で逃げ切ろうとする弁護士の思惑に反して、筧容疑者はペラペラしゃべる。弁護計画など全く通用しない。ここまで保身能力を喪失しているのは本当に認知症なのかもしれない。初対面の記者に対してだけでなく、証言台でも緊張せずフレンドリー。殺人に対する罪悪感の欠如は異常だが、普通のおばちゃんに見える。2018/12/02

n75

5
後妻業事件ルポ。著者は新聞記者で裁判もほぼ密着。1月違いで出たもう一冊と続けて読む。事件の概要はほぼ同じだが、2冊合わせて読むことで千佐子の「技」がよくわかる。2冊同じ人が書いた?と思わせる同じ内容や仕草、手紙を書いているが、こちらの方が最後まで密着に成功。しかしこの分かれ目が、付き合っていた男たちの生死の境目かと思うとぞっとする。どちらもさっさと読めるが、2冊目を読み進める内に空恐ろしくなるので、ルポ本を読む経験としては貴重。是非合わせて読んで欲しい。2018/10/19

turutaka

3
闇が深い。文面からだけでも伝わってくる被告の人間的な魅力。反面にある恐ろしいまで杜撰で雑な殺人の数々。あっさりと罪を認めて弁護士の戦略もめちゃくちゃにしながらも、結局のところ殺しの動機すらもうっすらとしたベールに包まれているのが、ゾワっとした恐ろしさを感じさせる。人間は簡単に鬼になれる。少なくとも信頼できる人間(これを読むとそんな人はいないとも思えるが)からカプセルを貰うのはやめておこう。2019/09/11

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