出版社内容情報
「田中角栄逮捕」の熱狂に隠れた「ロッキード事件」の真相とは。事件から40年、その手がかりとなる資料が次々に発掘されている。見えてきたのは、軍事とカネをめぐる日米両政府の「巨大な闇」。数奇な展開をたどった事件の内幕に迫る。
内容説明
昭和の怪物・児玉誉士夫に渡ったとされる「21億の謎」。極秘資料と多くの証言から、戦後最大の疑獄事件に迫る。
目次
1章 40年前の疑獄事件を追う(アメリカ屈指の軍需企業を訪ねて;捜査資料から見える「軍用機」への疑惑 ほか)
2章 昭和の黒幕と21億円の謎(ロッキード社副会長が明かした“衝撃”;児玉誉士夫とロッキード社の関係 ほか)
3章 軍用機「P3C」をめぐる日米の攻防(幻の「国産化計画」、その全体像とは;急務だった対潜哨戒機開発の実情 ほか)
4章 軍事と金の“巨大な闇”(“疑惑隠蔽”工作を示す極秘資料;危惧された「日本導入」の遅れ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
30
図書館本。「記憶にありません」が流行語になったロッキード事件は40年以上前に起きた。ロッキード社の民間旅客機トライスターの売り込みに対して日本側は贈賄を受け、ときの総理・田中角栄が5億円を受け取った…というのが一応の結末だった。しかし、トライスターとももに軍用機P3Cの売り込みもあった、それには児玉誉士夫が深く関わっていたという話も出ていたものの、それはいつの間にかたち消えになってトライスターの話だけが残った。ロッキード事件についてあらためて学ぶためにこれを借りたが、期待したほどの内容ではなかった。2018/09/21
Piichan
15
ロッキード事件の本筋が対潜哨戒機P3Cの導入だったというのは初めて知りました。防衛産業はどうしても秘密主義になりやすいですが、国民の権利が守られるためにも政治家やメディアはできるかぎりの情報公開を求めていかなければいけないと思います。大物右翼活動家であった児玉誉士夫の実像に迫っていたのもよかったです。関係者が多く存命していた時期に迫っていたら、日本会議のような安倍首相を支える保守勢力はここまで大きくならなかったのではないかと思うと残念です。2018/05/15
ゆきまさくん
5
事件から40年以上たち、ロッキード事件を改めて掘り返していくと、民用機のトライスターよりも、軍用機のP3Cをめぐる大きな疑惑が浮かび上がってくる。NHKスペシャルを書籍化したものだが、放送で盛り込めなかった資料や証言をこの本で取り上げているという。長き時間を経た今だから得られる資料や発掘される事実がある一方で、証言をすべき人が少なくなっていく。他の類書とは異なった視点で捉えているが、釈然としないことが残る。放送番組は視ていなかったので、視てみたい。2020/06/04
寅次郎
3
確かこの本のNHKのドキュメント番組を見た気がします。が、やはり活字のほうが説得力がありますね。2019/12/18
比丘尼坂
3
この本の事実を明らかにするのに40年の歳月、膨大な取材費と取材時間が要るのか。 本は読みやすく分かりやすかった。2019/08/17