出版社内容情報
「バベルの塔」など主要5作品をピックアップ、鑑賞ポイントを解説する「パーフェクト鑑賞講座」「東京に出現したバベルの塔」など。
内容説明
初めてでも楽しく鑑賞できる、ブリューゲル入門。
目次
パーフェクト鑑賞講座
ブリューゲルを「語る」ための5つのキーワード
もし現代の日本に「バベルの塔」が出現したら!?
ブリューゲル30作品誌上ギャラリー
美術史家小池寿子が語る 画家を育んだ時代
華麗なる“ブリューゲルの子孫たち”
11年間で2作が真作に!
私のブリューゲル
ちょっと美術史 ネーデルラントの画家たち
農民の営みを描いたブリューゲルの謎に満ちた生涯を辿ってみよう
“オランダ”のソウルフード
ブリューゲルの時代
ブリューゲルに出会える!世界の美術館
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
380
ブリューゲルの入門書といった趣き。編集はかなりよく工夫されていて、ブリューゲルの絵に対する興味を一層掻き立てる。本のサイズはそれほど大きくはないが、必要に応じて部分拡大図を掲載することで細部にも目が届く。巻頭を飾るのはボイマンス美術館の方の「バベルの塔」。絵の中に実に1400人が描かれていることや、クレーンが当時最先端の技術であったことなどを解説してゆく。「反逆天使」や「悪女フリート」、「死の勝利」などはボッシュを髣髴とさせる。最もブリューゲルらしいものといえば、農民たちの群衆を描いた絵だろうか。2020/11/10
Nat
38
図書館本。実際の大きさをワインボトルと比べてみたり、バベルの塔が日本に出現したらと仮定したりするところが、面白かった。ボイマンス美術館の『バベルの塔』などの5作品の詳しい解説はポイント別に説明してあり、一部拡大図もあってとてもわかりやすかった。『雪中の狩人』は好きな作品だが、連作季節画6点の一つだとは初めて知った。また、ネーデルラントの状況などブリューゲルが生きた頃の様子や子孫についても知ることができ、参考になった。とりあえずヴリューゲルの作品を見るなら、ウィーン美術史美術館へ行かねばとあらためて思った。2020/10/04
めがねまる
18
豊富な図像に歴史的背景と聖書のエピソードにも言及したわかりやすい解説、原寸大に拡大した細部の説明など、読みどころが多く面白かった。宗教的な画題であっても宗教くさくなく、描かれた人たちの生き生きとした姿が見ていて楽しい。当時の世界情勢や同時代前後のネーデルランド画家の紹介もあり教養になる。美術館で本物を見るのが楽しみになった。2018/04/28
ひろさん
11
近々「ベルギー奇想の系譜展」を見に行くので予習で読む。15世紀から16世紀に活躍した作家の作品がたくさん収録されていてとても勉強になりました。たくさんの農民が一同に描かれていて主人公がいないのが印象的でした。2017/06/03
コーデ21
10
2017年に「バベルの塔展」や「ベルギー 奇想の系譜」展でブリューゲルの作品に接したことはあるものの、断片的な知識しか得られずじまいでした。本書はブリューゲル作品の懇切丁寧な解説に加え、彼の生涯や時代&社会への考察など、多岐にわたる内容で読み応え十分‼ 日本の高層ビルと比較した「もし現代の日本に『バベルの塔』が出現したら! ?」がとても興味深かったです。フェルメールや若冲などなど他の「招待シリーズ」も読んでみたーい^^2020/12/13