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出版社内容情報
【芸術生活/絵画彫刻】シーボルトはお抱え絵師・川原慶賀に各地の日本人100人以上の絵姿を描かせていた。老若男女、巷の人びとを職業ごとに活写した幕末の貴重な風俗資料である。今に残るその全点をカラーで収録した初公開の画帳。他の蒐集品とともに来秋まで各地で巡回展示。
小林淳一[コバヤシジュンイチ]
内容説明
極彩色でよみがえる民衆のポートレート。
目次
娘
花魁
花嫁
女房
女房と子供
傘をさす女房
子守の娘
妾
出島の二人の女中
女家主〔ほか〕
著者等紹介
小林淳一[コバヤシジュンイチ]
1952年、東京都生まれ。江戸東京博物館学芸員、同館学芸課長、米国ピーボディー・エセックス博物館客員研究員(1997‐98年)、東京都美術館副館長を経て、現在、江戸東京博物館副館長。国立歴史民俗博物館客員教授、長崎純心大学大学院客員教授。専攻は日本近代社会史、異文化交流史。モースやシーボルトが19世紀のわが国において形成し、いまも欧米に所在する「在外日本コレクション」の調査研究に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Naranja
4
先ごろ、Eテレの日曜美術館でシーボルト・コレクションを見たばかりで、慶賀も紹介されていて、折よく本作も図書館で発見。どの絵もきれいではあるものの、無表情な人物が多く、巻末の解説にあるように「日本人のカタログ」って感じでした。大井川の川越人足が5枚ほど描かれていて、全員の刺青が異なっていたのは興味深かった。絵と説明の順番が「[説明1] [絵1・絵2] [説明2・説明3] [絵3…] 」といった具合でしたが、絵と説明を隣のページに配してくれた方が読みやすいのに。2016/10/07
あきこ
3
これは面白い。シーボルトがお抱え絵師川原慶賀に書かせた江戸時代の人物画である。しかし武士や裕福な商人などではなく市井の人々、農夫、職人、芸者、僧、または怪しい物売りのたぐいである。こんな職業あったのかという驚き、着物もこういう感じなのかといった発見。そして優秀な絵師である慶賀の人物画なのになんとなく変、人間としてのバランスが変に書かれている。日本人として不満は残るが当時を知る興味深い資料であった。2016/11/10
保山ひャン
2
シーボルトが絵師に描かせた百九点の人物画帳とその解説。描かれている人物がどのような職業の人物なのかという判定の根拠と解説が各1ページ付されているが、絵師の想像や浮世絵からの引き写し、さらには絵師がシーボルトを舐めてかかっていて適当に描いたりからかっていたりする絵もあって面白い。川越人足たちの入れ墨姿と、盲人の絵が複数見られたのが印象的。2018/11/07
kaz
1
タイトルどおり、江戸時代終盤の庶民の姿を写生したもの。当時の風俗等がわかって面白い。ただし、編著者によれば一部、絵師の想像も交じっていたり、人物画としてのリアリティに欠くものもあるとのこと。編集について言えば、絵と解説とが見開きになっていた方が読みやすいように思う。もしくは、関連するテーマをまとめた方が良いかも。 2016/12/25