出版社内容情報
植原 亮[ウエハラリョウ]
著・文・その他
内容説明
本書では、遅く考えること―意識的にゆっくり考えることを「遅考」と呼ぶ。それを使いこなす方法こそ、「遅考術」である。レッスンを通じて、思考の間違いを回避し、よりよい思考を生み出す技を身につけよう。豊富な「練習問題」や、先生と生徒たちの「対話」によって、自力で「深い思考」に到達できる。
目次
1 「遅く考える」とは?
2 思考には2つのモードがある
3 早とちりのメカニズムをつかむ
4 ゆっくり「言葉」を考える
5 因果関係がわかれば、思考の質はもっと高まる
6 まぎらわしい因果関係に対処する
7 新たな解決策を考え抜く
8 本当の原因を突き止める
9 思考の精度がグッと高まる、3つの考え
10 怪しい話に惑わされないために―総合演習
著者等紹介
植原亮[ウエハラリョウ]
1978年埼玉県に生まれる。2008年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術、2011年)。現在、関西大学総合情報学部教授。専門は科学哲学だが、理論的な考察だけでなく、それを応用した教育実践や著述活動にも積極的に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
51
日頃から心がけていることが再確認できた。できる限り、一旦、間を置くことを第一としている(つもり・・)。間を置いて、整理し直す・考え直す・表現してみる。それが、遅考術の3文字に反応したのだと思う。熟考は理想ではあるが、そこに向かってゆっくりと進めていこうと思う。2025/02/15
ひこうき雲
51
感情に流されちゃだめ。耳ざわりのいい言葉にすぐに飛びつくのもだめ。きっと裏があるよ。少し立ち止まってみよう。2022/12/29
おせきはん
36
結論を急がず、考えることの大切さがよくわかりました。レッスンによって問題の正答率に差があったので、もう一度読み、自分が苦手な思考法の改善に挑戦します。2022/09/28
三井剛一
21
科学的な思考を身に付けるために、バイアスから対照実験までを対話形式で書かれている。 いかに人間が、直感的な思考に支配されているかを思い知る。経験や個人のエピソードに説得力を感じてしまう。 問題を解く中で、特に選択バイアスを気づけてなかった。 疑似科学、陰謀論の特徴や仕組みも興味深い。大事件には、それに見合った意味や目的をつけてしまう。科学的なデータは、時に直感に反した結果がでる。それをどう捉えるか。情報過多の時代だからこそ、ゆっくと考える必要がある。2024/03/03
shinonishi.runner
17
前半は「ファスト&スロー」の焼き直しみたいで、システム1に頼らずにシステム2を使う訓練をしましょう、というもの。ファスト&スローの後半が経済的損得の話に行ったのに対し、こちらは応用分野として疑似科学、陰謀論に立ち向かう的内容になっているのは面白い。ただビジネス書であるならば、現場で使える「詭弁を暴く質問力」的な話題を絡めてくれるともっと考えるところがたくさんあったのではないかと惜しまれる。2024/12/07