出版社内容情報
【文学/日本文学小説】司馬遼太郎のライフワーク「街道をゆく」の全文にあわせ、詳細な用語解説と地図や図版などを掲載。司馬作品に出合う、最初のきっかけに。「本所深川散歩」は「文七元結」など落語を枕に、江戸の風情を感じながら、近代日本文学の誕生までの歴史を巡る。
内容説明
東大阪在住の司馬さんが、「とりあえず江戸っ子の産地じゃないか」と思い、訪ねることにしたのは本所深川でした。川並(筏師)や鳶の頭に話を聞き、本所の町家が舞台の『文七元結』、この辺りで江戸時代に盛んに行われていた『大山詣り』、富岡八幡宮が登場する『富久』といった古典落語を枕に名所を訪ね歩きます。三遊亭円朝や三代目柳家小さんなど明治時代に活躍した落語家たちに触れたあとには、夏目漱石、芥川龍之介ら明治の文豪たちにまで話が及んでいきます。全文掲載、中高生から大人まで。
目次
深川木場
江戸っ子
百万遍
鳶の頭
深川の“富”
本所の吉良屋敷
勝海舟と本所
本所の池
文章語の成立
隅田川の橋
白鬚橋のめでたさ
思い出のまち
回向院
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
1923年、大阪府生まれ。大阪外事専門学校(現・大阪大学外国語学部)蒙古科卒業。60年、『梟の城』で直木賞受賞。75年、芸術院恩賜賞受賞。93年、文化勲章受章。96年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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更夜
9
本来だったら「本所深川散歩、神田界隈」で一冊なのですが、ワイド版の為分冊になりました。文字が大きく読みやすいのが一番。中高生からとあるように、註が多すぎるかもしれません。司馬遼太郎さんは関西人なので、東京、江戸に対する目がどちらかというとシビア。今は風情が感じられないと書かれていますが、私は学生、社会人時代を過ごした町ですので、思い入れはあり、ああ、余所の人が見るとこうなんだ、と思いました。東京に来られたら、水上バスで隅田川を是非、下ってください。たくさんあっても一つも同じ橋がありません。2018/06/08