出版社内容情報
【文学/日本文学小説】寛永9年6月、外様大名の加藤家は幕府より改易を命ぜられる。幕藩体制の秩序がいまだ確立されておらず、これを是としない家臣団が籠城する懸念が広がる。改易に隠された幕府の計略の真実に迫る長編時代小説。第6回朝日時代小説大賞優秀作。
内容説明
将軍家の威光か、肥後侍の意地か。改易に隠された驚愕の計量とは!?歴史の真実に迫る長篇時代小説。第6回朝日時代小説大賞優秀作。
著者等紹介
松永弘高[マツナガヒロタカ]
1976年、東京都に生まれる。明治大学卒業。会社員生活を経て、執筆活動に入る。2014年、「泰平に蠢く」が第六回朝日時代小説大賞優秀作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shiozy
17
「大阪誕生」と朝日時代小説大賞優秀同時受賞作である。同時受賞作がなんと同時代を描いている。「大阪誕生」の主人公の松平下総守忠明がここにも登場するのだ。大阪夏の陣が終わって大阪が平定され、次なる標的は九州に定められたとき、それは熊本藩であった。天下一の堅城と謳われた熊本城に、篭城戦を挑まれたら徳川幕府軍は一体何年の戦を続けなければならないのか? 後世、かの西郷隆盛が熊本城を攻めて、とうとう落とせなかった史実があるとおり、それは無謀な試みであった。しかし、黒田藩の選択は? 潔い武士のいきざまであったのだ。2015/07/13
Yukihiro Nishino
12
何だか呆気なく終わってしまった感じ。城受渡の話しなのでもちろん戦闘シーンはないのだが、受け渡しまでにはそれなりの心理戦があったはず。もう少しそこを描写して欲しかった。2016/02/28
mushoku2006
11
特に何事もなかった歴史を知っている者からすれば、 なにこの大げさなタイトルは!という気持ちになりましたが、 実際の当事者からすれば、 歴史背景などからして、確かに篭城決戦となってもおかしくなかったわけですから、 読後にはこのタイトルもうなづけます。 しかし、作者はきっちりとした作品を描かれているとは思うのですが、 やはり地味だなあ・・・・・・。2015/04/25
あきまこ
9
熊本城の城主が替わったことがどういうことなのかがわからなくて読みました。あと『決戦!・・・』シリーズに似てたし…。登場人物の名前が似ていて区別しにくかったです。読めない漢字に鉛筆でフリガナを振りたかったけど、図書館本なので堪えました。内容が読み取れなく、頭に入ってこなくてお手上げでした。2016/06/06
ふくいち
8
「決戦!大阪城」を読んで,似た名前の本を図書館で借りたが,ちんぷんかんぷん。登場人物に馴染みが薄く,誰がどういう関係か,理解するのに一苦労。冒頭に書いていてほしいと思うが,フィクション物と異なり,歴史物でそんなのないよね。史実という制約があるので仕方ないが,藩主忠広も嫡男光広も名前だけの登場。城代家老加藤正方と城受け取り方水野家との(精神的な)決戦!だが,盛り上がりには欠けた。2016/02/10