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内容説明
作家であり、主婦であり、母であったひとりの女性のかつてないガン闘病記。中島梓=栗本薫の命の証。
目次
プロローグ
2008年9月
2008年10月
2008年11月
2008年12月
2009年1月
2009年2月
2009年3月
2009年4月
2009年5月
著者等紹介
中島梓[ナカジマアズサ]
別名に栗本薫。1953年、東京生まれ。早稲田大学文学部卒。1977年、「文学の輪郭」で群像新人文学賞評論部門受賞。1978年、栗本薫名義の『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。以降、作家・栗本薫と、評論家・中島梓の名前で、ファンタジー、ミステリー、SF、時代小説、耽美小説、評論、エッセイなど多岐にわたる執筆活動を続ける。また、歌舞伎の脚本、ミュージカルの脚本・作詞・作曲・演出、舞台プロデュース、CDの制作、ジャズピアニストとしてのライブ活動等、さまざまな分野でも活躍する。2007年の発病以来、すい臓ガンと闘いながら精力的な執筆活動を続けた。2009年5月26日、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クリママ
48
術後、胆管癌ではなく膵臓癌とわかる。それは予後が悪いことを意味し、果たして、その2ヶ月後に肝臓への転移が見つかる。日記の形式で書かれた亡くなるまでの闘病記。腹痛、腰痛、発熱、不眠などの体調不良の中、執筆を続け、抗がん剤治療、免疫療法のため複数の病院へ通い、ジャズピアノのライブ、リハのためセッションを重ね、好きな着物の催しに出かけ、食事の支度(術後のメニューはそれで大丈夫かと思われるが)もする。その行動力に驚くとともに、それが著者にとって生きるということなのかと… 医師から、先のことは、月単位、いや、⇒2023/10/24
よむよむ
36
『栗本薫・中島梓』と続けて読了。「ピーターラビット」は病院での生活のことばかりだったが、最後の日々は入院せずにぎりぎりまで普通の生活をしておられたので驚く。食い道楽で着道楽、なのに食べられない、着られない。そんな中でも歌を歌い、ピアノを弾き、料理を作り、物語を書く。『あと10年だけでも生かしてください。まだやりたいことがあります』10年あれば、グインは完結しただろうか。それは怪しい(爆) 5月16日の絶筆の乱れが、命への執念を思わせて胸を打つ。17日に昏睡状態になり、一番驚いたのは本人だっただろう。合掌2011/02/11
ミナコ@灯れ松明の火
22
この人の小説を読んだことはまだない。けれど、最期の日まで、おそらく朦朧とする意識の中でさえ何かを書こう、何かを残そう、とする心意気に感動した。判読不能な文字の向こうに作者さんの意志が透けて見えるような気がして、目が離せなかった。全身全霊で「作家」だった人の最期、しかと記憶に刻みつけました。2011/04/25
遅筆堂
18
『ガン病棟のピーターラビット』の時は、まだまだ元気で、回復に向けての気力があった。文庫版の後書きに再発の旨が書かれていたので気になっていた。その内に、亡くなわれたというニュース。辛いなあ。読者側は、もういつ彼女が亡くなるということを知っているのに、一生懸命書いている本人はわずかな望みを持ちながら生き続けている。日々のちょっとした変化を良くなっていると喜び、そして体調を崩して頑張ろうと気を取り直す。医者は、すべてが判っていたのではないか、直前までライブをし、小説を書いている。絶筆のタイプが泣ける。合掌。2011/06/29
鬼灯の金魚草
12
読んでいて辛い。なまなましい。2016/10/14