内容説明
偽造工房の生き証人アドルフ・ブルガーによる、史上最大の紙幣偽造作戦をめぐるドキュメント。ザクセンハウゼン強制収容所のユダヤ人囚人144人は1942年から45年まで、処刑に脅かされながら、ナチス戦略の一環としての、膨大なイギリス・ポンド紙幣やアメリカ・ドル、債券、切手、証明書の偽造に、従事させられた。本書では、ブルガーが42年にスロヴァキアで逮捕され、アウシュヴィッツ、ザクセンハウゼンなどいくつかの収容所を経て45年5月にエーベンゼーで解放を迎えるまでの、苦難の道のりを描いている。本書は映画『ヒトラーの贋札』(ドイツ・オーストリア合作)の原案本でもある。
目次
第1章 スロヴァキア―アウシュヴィッツ―ビルケナウ(スロヴァキアでの幼年時代と青年時代;逮捕;アウシュヴィッツ降車場 ほか)
第2章 ザクセンハウゼン強制収容所の紙幣偽造工房(ビルケナウからザクセンハウゼンへ;偽造工房;紙幣偽造前史 ほか)
第3章 マウトハウゼン強制収容所―「シュリアー」強制収容所―エーベンゼー強制収容所―トプリッツ湖(マウトハウゼン強制収容所;「シュリアー」強制収容所―レトル・ツィプフ;「ベルンハルト作戦」の中断 ほか)
著者等紹介
ブルガー,アドルフ[ブルガー,アドルフ][Burger,Adolf]
1917年、スロヴァキア生まれ、印刷工・植字工として職業教育を受ける。42年、アウシュヴィッツ強制収容所収監。44年、ザクセンハウゼンへ移送され、いわゆる「ベルンハルト作戦」にかかわる。戦後はプラハ在住。72年以降、作家、ジャーナリストとして自らの収容所体験を語り始める。現在、国際ザクセンハウゼン委員会(ザクセンハウゼン強制収容所の元収容者で作る委員会)のメンバーとして活動
熊河浩[クマカワヒロシ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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