ヒトラーの贋札―悪魔の工房

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  • サイズ B6判/ページ数 397p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784022503862
  • NDC分類 234.074
  • Cコード C0036

内容説明

偽造工房の生き証人アドルフ・ブルガーによる、史上最大の紙幣偽造作戦をめぐるドキュメント。ザクセンハウゼン強制収容所のユダヤ人囚人144人は1942年から45年まで、処刑に脅かされながら、ナチス戦略の一環としての、膨大なイギリス・ポンド紙幣やアメリカ・ドル、債券、切手、証明書の偽造に、従事させられた。本書では、ブルガーが42年にスロヴァキアで逮捕され、アウシュヴィッツ、ザクセンハウゼンなどいくつかの収容所を経て45年5月にエーベンゼーで解放を迎えるまでの、苦難の道のりを描いている。本書は映画『ヒトラーの贋札』(ドイツ・オーストリア合作)の原案本でもある。

目次

第1章 スロヴァキア―アウシュヴィッツ―ビルケナウ(スロヴァキアでの幼年時代と青年時代;逮捕;アウシュヴィッツ降車場 ほか)
第2章 ザクセンハウゼン強制収容所の紙幣偽造工房(ビルケナウからザクセンハウゼンへ;偽造工房;紙幣偽造前史 ほか)
第3章 マウトハウゼン強制収容所―「シュリアー」強制収容所―エーベンゼー強制収容所―トプリッツ湖(マウトハウゼン強制収容所;「シュリアー」強制収容所―レトル・ツィプフ;「ベルンハルト作戦」の中断 ほか)

著者等紹介

ブルガー,アドルフ[ブルガー,アドルフ][Burger,Adolf]
1917年、スロヴァキア生まれ、印刷工・植字工として職業教育を受ける。42年、アウシュヴィッツ強制収容所収監。44年、ザクセンハウゼンへ移送され、いわゆる「ベルンハルト作戦」にかかわる。戦後はプラハ在住。72年以降、作家、ジャーナリストとして自らの収容所体験を語り始める。現在、国際ザクセンハウゼン委員会(ザクセンハウゼン強制収容所の元収容者で作る委員会)のメンバーとして活動

熊河浩[クマカワヒロシ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

61
標題とはやや観点が異なり《ナチス親衛隊総ぐるみの悪魔的所業》その一つに贋札造りもあったと。写真が豊富、内部の暴露も実に詳細。ヒトラーは煩雑な登場はなく、親衛隊の上からしたまで腐った人間がぞろぞろ医学は無論、金儲けの狂態を尽くした有り様がはじめから最後までびっしりと記録が呈されている。普通の言葉ではレヴュー等書けない。読みつつ、心が石榑のように感情を無くしてしまう。生きて、語りを繋いで…という筆者の想いが焼きごてのように刻まれた。2022/11/04

ののまる

10
へえええ、紙幣だけでなく切手も。貴重な写真がいっぱい。2021/07/16

Ikue

6
読みおわり。なんか、こうやって歴史の一部は隠蔽されたのかなぁと思うと、やりきれない感じ2014/12/02

Arte

2
ミステリみたいな題名だが、非常に詳しいナチスとホロコーストの解説書。ナチの贋札製造作戦に従事したスロバキア系ユダヤ人の著者の自伝かと思いきや、前半ではスロバキアが如何にしてナチスドイツに解体され、スロバキアユダヤ人がどうなったかが、見開きで多数の人物写真や地図をつけて語られ、贋札製造の話になってからも、収容所内の話だけでなく、イギリスをおちょくるためだけにジョージ6世とスターリンの写真を並べた紙幣を作っていたとか(写真つき)、ナチスが証拠隠滅のために捨てた湖から贋札をつめたトランクを引き上げた話とかも。2020/06/05

秋良

2
何が怖いって、虐殺に関わった人たちの中には裁かれずに生きてった人も多いってとこ。彼らはどんな思いで余生を送ったんだろう。いつか親衛隊の自伝とかあったら読んでみたい。2011/10/28

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