出版社内容情報
手塚治虫のライフワーク『火の鳥』12作がオリジナルのB5サイズで復活! 手?治虫のダイナミックな描線を堪能できる大判サイズ。生誕80年を記念して、なつかしのデザインで。毎月2冊ずつ刊行予定。第5回は「異形編、生命編」と「太陽編」の2冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zero1
60
壮大なスケールで知られる「火の鳥」は手塚のライフワークにして未完の大作。その中でもこの太陽編は私が最も気に入っているエピソードのうちのひとつ。政治が宗教と絡むと悲劇が生まれる。それを白村江の昔と未来の二重構造で描く秀作。ハリマは犬の皮を付け過酷な運命に立ち向かう。海を渡り日本で狗族と出会う。その狗族も大陸より来た仏教から弾圧を受ける。阿倍野比羅夫や大海人皇子は主人公にとって敵か味方か?未来では光と影が地上と地下で分かれて住んでいた。影の下剋上はあるのか?下巻に続く。2020/08/11
keroppi
56
NHKでアニメ「火の鳥 太陽編」を見たのだが、アニメでは、未来世界は出てきていなかった。原作を確認しようと思って読み返している。以前読んだ時、今ひとつ理解しきれていなかった。過去と未来、幻想が入り乱れる構成。テーマは宗教か。下巻に進もう。2025/04/19
かっぱ
35
【再読】外来の宗教である仏教の神様(仏様)が怖い神様のように描かれている。主人公が顔の皮を剥がされて狼の顔を被らされた百済の王族という設定はかなり残酷。倭の将軍の命を救ったことで、倭国で犬上という姓を賜り、好待遇を受けることになるが、やがて、政争へと巻き込まれていく。未来との繋がりやマリモとその一族との関係も気になるところ。さて、犬上(クチイヌ)の運命は。。。下巻へ。2014/07/05
りんご
32
ストーリーはほぼ忘れてたな。でも狼面人のビジュアルはすごく覚えがあった。犬上が意識を失うと未来人のイメージが浮かんで来る。これどう絡むんだっけな?そして土着の神と仏教の争い!斬新。見方を変えたら異教の神は侵略者、わおわおー。2022/05/11
出世八五郎
29
古代を舞台としたものだけど意外と面白いのは知識がないから。手塚の描き方として、過去から未来へつなぐ手法は物語の広大さを表しており好きです。やはり、古代より未来の方が想像力が働く。この作品では輸入された頃の仏教を侵略者として描いている。その視点が新鮮だ。2016/02/13