海保青陵―江戸の自由を生きた儒者

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  • サイズ B6判/ページ数 351,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784021002168
  • NDC分類 121.56
  • Cコード C0010

出版社内容情報

江戸時代後期の儒学者・海保青陵は、丹後宮津藩家老の家に生まれながら藩席を離れ、儒者として、旅を重ねながら各藩の改革に当たったり、経営の観点から新しい儒学を説いた。天下太平の江戸時代、商業科が進む社会に真摯に立ち向かい、独自の世界を切り開いた異才の全体像を、イギリスの哲学者との比較の視点も交えて解き明かす。

内容説明

天下泰平の江戸時代。商業化が進む社会に対して真摯に立ち向かい、独自の世界を切り拓いた儒者の全体像を、比較文化の視点も交えて解き明かす。

目次

第1章 青陵とその時代(泰平の時代、智の闘争の時代;世の波について;時代観察の方法)
第2章 青陵履歴(幼年時代;不才懶惰について;遊歴について;文人青陵と江湖詩社の人びと)
第3部 『文法披雲』誕生(書くことの意義;徂徠から青陵へ;建築としての文章)
第4章 「談」としての思想(「談」としての思想;生活の技術、経済の技術;「移範」的思考;「生キタル世界」と「心ノ智」;経済をめぐる二つの智)
第5章 繁栄の汚辱か、高貴なる貧困か―海保青陵とバーナード・マンデヴィル(マンデヴィルと青陵;領主と治安判事;繁栄の汚辱か、高貴なる貧困か:商い・修辞・社会;饒舌と自由と)

著者等紹介

徳盛誠[トクモリマコト]
東京大学大学院総合文化研究科専任講師。1964年、鹿児島県生まれ。1989年、東京大学法学部卒業。1994年、同大学院総合文化研究科比較文学比較文化専攻博士課程単位取得退学。帝京技術科学大学情報学部講師を経て、1995年より現職。2007~2008年、ハーヴァード大学イェンチン研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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きさらぎ

5
軽やかに既成の枠組みを超克する青陵の思想はそれ自体痛快だが、徂徠(学)と、スミスやハイエクといった(乱暴に言うと)自由主義系の経済思想について多少なり関心があれば更に楽しめると思う。自らを文筆家と任じる青陵は、書き、伝え、説得することに心を砕く。徂徠は古代の制度を知るためには古語を学べという。青陵は更に、そうして古代の制度を知ったなら、その「意」を今に生かすために、いかに今の言葉で語るかを考える。その発想がまた、「売買」の技術論に繋がる。説得を重んじる青陵と自発性を重視する徂徠の教育観の対比が興味深い。2015/12/04

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